形態
キャベツは結球型の野菜で、一般にグリーンキャベツが流通している。外葉が
18–20枚になってから結球が開始し、葉序に従い螺旋状に茎頂を包む。また、
中心に近いほど内側を向いているが、外側になるにつれ外に向いていく。
結球時、茎はほとんど伸長せず、短縮茎となる。
[編集] 変種
* ムラサキキャベツ - 赤キャベツとも。食用。見た目、特に色合いの美
しさからサラダに用いられる。また、ムラサキキャベツの色素は、酸性やアル
カリ性の水溶液に反応し変色するのでpH指示薬とすることができる。
* ハボタン - 食用ではなく葉を観賞する。株の中心部の葉が白や赤に染
まり牡丹の花の様に見えることから名付けられた。江戸時代にオランダから渡
来したキャベツを改良して生まれた。
[編集] 利用
葉はやわらかく、癖のない味なので、多くの料理に使われ、万能的な野菜である。
たとえば、生では、繊切りにして豚カツなどの付け合わせにしたり、甘辛のみ
そをつけたりして食べる。業務用で繊切りを使用する場合には、水に浸してお
くと水分を吸収して膨張するため量が増え、かつ、みずみずしさを保つ利点が
あるが、栄養価が落ちる恐れがある。
スープの具にしたり、中にひき肉などを挟んでロールキャベツにするなど煮て
も使える。脂で炒めても甘味が引き出され、おいしい。
鍋料理の際に、白菜の替わりに用いられる事もある(もつ鍋・井上鍋等)。博
多水炊きにはキャベツを用いるのが本筋とされている。
また、キャベツに含まれる成分を抽出した栄養ドリンクや胃腸薬も作られている。
[編集] 栽培
渥美半島のキャベツ畑(2006年12月撮影)
渥美半島のキャベツ畑(2006年12月撮影)
日本では、栽培地の標高や緯度で出荷時期が異なり、ほぼ通年で出荷体制が
整っているので、特定の旬が存在しない。
原産地の気候(地中海性気候)をからすると冬季に生育するものと考えられる
が、今日に至る品種改良の結果、年間を通して出荷可能となっている。キャベ
ツの品種・品種群は多岐にわたり、日本では、春を中心に出回る春系、冷涼地
で栽培される夏秋キャベツ、球が締まった冬キャベツなどが存在する。おおよ
そであるが、夏秋キャベツは群馬県(嬬恋村)や北海道など冷涼な地区で栽培
され、冬・春キャベツは愛知県(渥美半島)、千葉県(銚子市)、神奈川県
(三浦市)など温暖な地区で栽培され、出荷される。
モンシロチョウなどの格好のエサになるため、食害(食痕)が問題となる。虫
も喰わないキャベツは危険という消費者意識は普及しているものの、店頭に虫
食い跡の残るキャベツが出回ると極端に売れ行きが鈍ることから、一定量の農
薬(殺虫剤)の使用は避けられないのが現状。無農薬栽培の手法として、キャ
ベツのうね毎にチョウ類の進入を許さないようネットを張る手法も取られる
が、手間が掛かることもあり販売価は通常のキャベツの倍近くになる。
[編集] 文化
英語でクラウト(キャベツ野郎)といえばドイツ人のことである。ザワークラ
ウトからの連想。そこから発展して、cabbageheadは脳たりんを意味するよう
になっている。ドイツ語でキャベツをコール(Kohl)というが、これはドイツ
人の苗字にもなっている。例えばコールドイツ連邦共和国元首相など。
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