○○の個室。狭い二人用の部屋。小さいテーブルを
挟むようにして対面。
「課長さん」とテーブルに置いた私の手を握る。
私も思わず、握り返してしまう。
満喜子の唇が私に近づいてくる。
この個室は、身体の上半分は隠れてしまう仕掛け。
テーブルで握り合っている手は、歩いている人には
見えるだろうが、それより上は見えないだろう。
私は握り合っている手を、私の方へ引くようにして
満喜子の唇を吸う。
「失礼しまーす」の店員の声で、二人は離れる。
頼んでおいた飲み物と、食べ物が来た。
満喜子は、飲みながら食べながら、この間は楽しかった
嬉しかったと、喋りっぱなし。
帰り際「今晩 課長さんの家に行って いい?」
「今晩は だめだよ
昨日から 下の息子が来ているんだよ」
「つまんない」
「また いい日を 見つけるから」と言うと
「それじゃ 私の家に来る?」
それもだめだよと言って、2~3の言葉の往復があり
結局いい日を見つけようということにした。
そりゃあ 私だって満喜子を今すぐ抱きたいが
そういう訳にはいかない。
家に帰ると、留守電が入っていた。
妻からだった。
「昨日は 無事帰れた
せっかく来てくれたのに 何もなかったわね
今度ね」
そうだ この間は妻を抱いていなかった。
抱きに行ったのに・・・・・・。
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