晶子のその言葉に、私は再び棒を突き立てました。
晶子の顔は、見たことがない歪みをさせてましたが、今度は痛いとは言いませんでした。
何もわからない私は、ただ先を入れたり出したりしてるだけでした。
すると晶子が言いました。
「守男さん、もっと奥です」
ぐっぐっぐっと、少しずつ棒を奥に奥にと進めました。
根元までやっと入りました。
晶子が両手を広げました。
私は被されように、晶子に密着すると、晶子の手が背中に回りました。
「やっと一つになれました」
そのまま抱き合ってました。
そして、私は晶子の中の温もりだけで、私は終わってました。
達成感、満足感、無事終わった安堵感が入り乱れてました。
晶子から離れると、冬なのに晶子は汗をかいてました。
相当な痛みと戦っていたことを思わせました。
「痛かったろ?」
晶子は私の目をしっかり見て言いました。
「痛いより、もし守男さんが終われなかったら、情けないと思って、焦りました。終わってくれて良かったです」
晶子はタオルで、出血と、私が出したのを拭いました。
私は自分のタオルで、晶子の額に浮かんだ汗を拭きました。
私は何気ない言葉を言ってました。
「ありがとう」
晶子はにこっと笑って、返してくれました。
お互いまた湯を浴びて、帰宅支度をしました。
晶子は血で汚した布団を気にかけてました。
血に染まったタオルを晶子は手に、旅館入口近くの部屋に寄りました。
女将さんがいました。
「布団、タオル、気にしないでいいよ。わかってたことだから」
笑顔で言いました。
「血が出たってことは、無事に終わったんだね?めでたいことだよ」
私と晶子の肩をポンポンと叩きました。
「まだ帰るに早いだろ?お茶でもしてきなさい」
女将さんはお茶と、羊羹を切って出してくれました。
性のことだけではなく、色んな話しを聞かせてくれました。
「あらいけない、貴方達が使った部屋、片付けなきゃ、そろそろお客もくるから、ごめんね」
私達は帰宅の途につきました。
夕刻が迫っていて、風が冷たい、寄り添うように歩いてました。
母は夕食の支度をしてました。
私と晶子は、台所の母のとこに行きました。
でもなんと言って良いのか、立ちつくしてました。
母は察したかのように、語りました。
「二人寄り添うように帰ってきて。夫婦になるんだなって」
母は見ていたんです。
通りまで出て、どんな様子で帰ってくるかを心配してたのかもしれません。
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