女性一人暮らしの部屋って、きちんとしてるってイメージだったのが、意外とそうではなく、どこか無造作で、居心地が良かったんです。
彼女も俺の部屋に来るようになって、俺の部屋も適当に無造作なんで、居心地がいいと言いました。
お互い、真面目で綺麗好きと思っていたのが、実は違うんだと確認できたんです。
すると彼女は少し変わりました。
いい方に変わりました。
セックスしてると、もっとこうしてほしいとか、体位を変えようとすると、もう少しこのままがいいとか、こう体位変えようとか、俺に要求するようになりました。
それまでは受け身だけでした。
淫らに乱れることがなかった彼女が、セックスで乱れるようになってきました。
お互いの部屋を行き来する関係が、いつの間にか、常にどちらかの部屋に寝泊まりする、そんな関係になり、俺は部屋代もったいないなと彼女に話すと笑って、それならどちらかが引っ越そうかとなりました。
一緒に住むなら結婚しようと、再度彼女に結婚のことを話すと、いい返事もらえなかった以前と違い、笑ってお世話になりますと答えてくれました。
即答でした。
そして話し合いの結果、どちらかが引っ越すのではなく、新しい部屋借りて、どちらも引っ越そう、そうなりました。
派手じゃなくても式はしよう、両親に挨拶しなきゃ、仲を取り持ってくれた友人夫妻にお礼しなきゃ、お互い仕事の合間をぬいながら、準備に取り掛かりました。
まず俺の両親に合うために実家に。
彼女の実家に。
友人夫妻はお互いの引っ越し作業を手伝ってくれて。
式は小さな会館のホールで、お互いの両親兄弟、近い親戚と友人を40人ほど呼んでこじんまりとしました。
彼女から妻に。
『二度もウエディングドレス着るなんて、私は恵まれているね』
爆笑でした。
友人の奥さん。
『三度目は狙わないでね?頼むから』
また爆笑でした。
俺のお袋は泣き止まないし、妻のお父さんは喜び過ぎて酔っ払うし、俺を弟のように可愛がってくれた従兄弟は長渕の乾杯を熱唱するし、妻のお父さんは趣味の尺八を披露するし、楽しい式でした。
数年前まで、結婚なんてと諦めていたのがウソみたいです。
それも友人夫妻の存在があったからで、強がっていた俺を、素直になれと一喝してくれたことに感謝しています。
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