携帯がT君のを咥える近くに持って行かれたのか、突然に溶けそうなアイスを啜るような音が携帯から聞こえる。
私は思わず、妻の名前を呼んだ。
多分、私の声は妻にも聞こえたはず?
妻の、くぐもった声‥!
私は、T君のを舐めているのか?T君のは、そんなに良いのか?
電話口で嫉妬を込めた声で言う。
私の声を無視するようにT君のを咥える音は更に淫靡に響く。
再び携帯は私の思いをよそに、プッと切れてしまう。
あ~ぁ!私は次第に腹立たしくなり経験をソファーに放り投げた。
時計を見ると8時半を過ぎた辺りだった、T君との約束だと10時迄には帰すはず、信じながらも私は、このまま帰らないのではと不安が膨れ上がって居た。
9時を過ぎた頃に妻の携帯からメールが入る。
奥様は今シャワーを浴びて居ます、今日は素晴らしい一時期をありがとうございました。
T君からのメールだ、私は何と応えたら良いのか分からず。
妻はどうだったかな?
などと書いてしまう。
ご主人に対して、こんな事言うのも変な話しですが、奥様は本当に素晴らしかったです、今日だけと言うのが本当に惜しい気持ちでいっぱいです。
T君は妻への誉め言葉を並べ立てていた。
奥様が浴室から出られたみたいです。それから暫くメールが途切れる。
再び送られたメールには妻が鏡に向かい帰り支度をしている後ろ姿が、下着を身につけ未だ下着姿のT君の前に屈み今だに硬く反り返る物を咥える妻の姿が鏡の中で写し出されていた。
10時を一分ぐらい過ぎた時、玄関が開く音、妻は躊躇いがちにリビングに入って来る。
「ただいま‥」
小さな声で言う。
私は無言で頷く。
その夜は会話もなく妻は寝室に逃げ込むように消えた。
※元投稿はこちら >>