学校へ行ってる間、あんまり勉強の方は懸命じゃなかったけど、関西地方の
文化水準って言うのか、おかげさまで色んな勉強になったと思います。その
一つになりますか、「京の茶漬け」と「鯛の鯛」って言葉を覚えました。
前んのは飛ばして「タイのタイ」って知ってますか?これってお魚さんの
エラのすぐ後ろ側にあるんです。ムズく言うとエラの後ろ側の蓋を作ってる
骨(鎖骨とか擬鎖骨とかです)にくっついてる胸鰭(むなびれ)なんです。
鯛を食べながら、上手くこれを取り出したとき「タイのタイが釣れた」って
表現するんです。まあ、ちょっと見がお魚さんの形してるんです。こいつが
(ウーンと遠い)将来的に四つ足どもの手になります。まあ、手というのは
人間さまの場合でして、他の四つ足さんたちでは上肢(じょうし)と呼んで
いますね。真面目に言うと「肩甲骨と烏口骨(うこうこつ)」ですが、後に
ひとさまの場合など、烏口骨は肩甲骨と一体化して烏口突起となってます。
またもや、寄り道しちゃいました、ゴメンナサイ:
装具が合わないほど成長してからもジェニーは、時おり松葉杖を使わねば
ならぬことが社会生活を制限した。ヘレンの説明によればジェニーは現在、
青春特有の苦悩を経験しつつあるようだった。それは十代後半の子が誰しも
経験することだけど、小学生のとき父親が死んでから以降、12年間ずっと
父親代わりのいなかったせいもあってね、と彼女は表現した。
「彼女の養育など、誰がやっても、絶対にあなた以上にはできっこないよ。
私から見た限りだがね」と受けあってみた。
「とにかくジェニーには出来ないことが多すぎるの。パーティでも行きたく
ないって言うし。そりゃまあ、血気盛んな男の子たちからは安全ってことも
あるわね。何といっても安心!」とヘレン。「身近にいるから何でも訊ねて
くるの。だけど、ちゃんと教えてやれなくて終わっちゃうのがネ」と彼女。
彼女との時間もしおどきと思い、私は別れの挨拶っぽく始めた。「うーん
やや遅くなったようです。メアリーがイライラして犬に探させようかなんて
思いつく前に、どうやら買い物にかかった方がよさそうなんです」と私。
「あのー」と、ヘレンが言い出す。「一つだけ、お願いがあるんだけど。」
おっしゃれば何だって、倍以上にもやって見せますとも、と考えていた。
「何でしょう?」私は尋ねてみた。
「ジェニーの知りたがってる二、三のことで、男性の側からの見解で相手を
してやって頂けると助かるんですが。」
「お安い御用ですとも。それぐらい喜んで」と言った。ヘレンに会えるし、
おまけに幾分かでも彼女にごますりできるチャンスだ、と思った。
「どう、今晩7時頃とか、いらっしゃらない?夕御飯しながら珈琲タイムの
続きするってことで」と言いつつ、ヘレンは悪戯っぽくウインクした。
「仰るように参りましょう」と私。「じゃ8時に、伺いますね。」
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