なんか普通の純愛モノみたいだなって思いませんでした?ええ、しばらくは
そんな気分で愉しんでいただければと思います。明かしますと、ほぼ一年前
に手がけたのかな、と思います。モロに半年ぐらいかかったのかなあ。実は
それで完成したんじゃなくて、中断しちゃったんです。さっぱり分らなくて
という理由じゃなくて、終わりが見えてきたので、次の候補選びを始めたら
ついつい新しいのをちょっぴりずつ読むのが楽しくなっての中断です。
で、まあ、これまで紹介したのを次々と取っ組んでたんです。続きね:
「ここを右に曲ります。ちょっとだけ歩いてもらうけど、いいですよね?」
そう、彼の言う通り、ほんのちょっとの道のりだった。浮き立つ気持ちに
合わせるように舞う春のそよ風に薄地のドレスが足にまとわりついてきて、
彼らはコンサート会場へと向かうのだった。
「あなたもモーツァルトが大好き、だなんて、とっても素敵!わたし達って
何から何までおんなじものが好きみたい。そうよね?」と彼女は言った。
コンサートの進行につれて、彼女が僅かに彼の方に向き直ってナイロンの
ストッキングごと膝を押し付けていくと、彼もぐっと気持ちが落ち着いた。
彼も手探りでたどりついて、手を直にその膝に置いた。引締まった太股から
伝わる温もりで、もはや音楽どころでなく、心はこの魅力ある新たな恋人で
一杯になってきていた。
「さあ、今晩どういうことになるかな?」楽しげに彼はひとりごちた。
彼女は足を組み直しつつも膝の上の彼の手を離したくなかった。そのまま
許して、スカートとスリップが一緒に衣擦れしていく感触を楽しんでいた。
彼女にとって恰もそれは、滑らかで光沢あるストッキングの上方へ蠱惑的に
誘い込もうとする衣擦れのように映っていた。
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