高鳴る鼓動と比例し、息があがる。全神経を耳に集中させた。
部屋は、物音ひとつしない。
変わった事といえば、襖から漏れる灯りがなくなった事…。
なんだ?なんだ?
一度耳を離し、ロビーに戻った。
妻は、何をしてるのか?
ややしてから目の前を、浴衣姿の女性二人組が過ぎた。
温泉に行くのだろうか?
今いけば、タイミング良く 混浴場で、竿をみせつけられる。
しかし妻の事が気になり、ヨコシマな思いをなんとか断ち切った…。
再び、妻のところに向かい、耳を襖にあてた。
マッサージ「奥様、この辺は、大丈夫ですか?」
嫁「はい」
真っ暗な部屋で、この辺とは、どこなんだ?」
廊下の光が部屋に漏れないよう、扉を閉め、襖をわずかに開けた。
照明の豆電球だけが怪しくともされた部屋の中が浮かび上がった…。
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