仕事が終わった後、別々に会社を出て隣町の駅で待ち合わせし、飲み屋に連れて行かれたが、うまく予約ができていなかったのだと言う。
そして、繁華街が広がる比較的大きな駅で、金曜夜ともなればどこも満席。
すると男は大胆にも、ホテルへ直接行こうと提案してきたと言う。寒い中、何時間も外にいるのは冷えるし、隣町とは言え、万が一、会社の人間に見つかるかもしれないと。
そんなつもりで来たわけではないと一度は断った妻だったが、諦めない男にとうとう観念し、いまアノ日だからエッチできないし、部屋で飲むだけねと、男の後をついて行った。
きっと最初から飲み屋の予約などしていなかったのだろう。
一連の流れを聞きながら、松田はそうとう遊び慣れてるなと思った。
で、部屋で飲んだの?まさかそれだけじゃないだろ?
なかなか答えない妻。
いいよ、怒ってないから、正直に全て話せよ。
むしろ嘘つかれた方が嫌だな。
全てって?
言葉のままだよ、ホテルに入ってから出るまで、松田くんに何をされたり、何を言われたのか、なるべく細かく話してよ。ユカリがそれにどう応えたかも。
うん、わかった。やってみるけど、絶対に引いたり怒ったりしないって約束してくれる?
約束する。
妻は少し考えたあと、記憶をたぐりよせながら話し始めた。
部屋に入ると…と妻が話しはじめたところで遮った。
ちゃんと細くだよ、ホテル行こうって話から部屋までタイムスリップしたわけじゃないだろー。
そっかゴメンね、えっと…
ホテル街に差し掛かると、松田は手を繋いできたという。
そして真っ先に目についたホテルに入ると、お互い無言で部屋を選び、フロントでカードキーを受け取るとエレベーターに乗った。
妻は何度かやはりやめようと言ったが、大丈夫だからと松田は聞く耳を持たなかった。
エレベーターでは気まずい沈黙のあと、急に抱きつかれ、キスしようとしてきたが、妻はそれをかわすように顔をそむけたため抱きしめられた状態だった。
部屋に入ると妻はもう逃げられないんだと観念したと言う。
俺に行けと言われたものの、すさまじい罪悪感に包まれた。さらに、これまで築き上げた夫婦の絆や信頼関係、女としての貞操観念、モラルが、この一瞬で崩されたような気がして泣きたくなった。
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