家に帰って2時間後、妻から迎えの電話が来た。
「どうだった?口説かれた?」
「食事に付き合っただけよ。ちょっと口説かれたけど」
「どんな子だった?」
「彼ね、県立大学の体育学部で水泳の特待なんだって」
「学費ゼロって奴だね」
「国体とかインターハイとか出ているって」
「で、ちょっと口説かれたって?」
「金曜日がコーチのバイトが休みだから、午後からデートして欲しいって言われた」
「で、返事したの?」
「あなたと話してから返事しようと思ったから、後で連絡するって言って、LINEを交換したわ…」
「そうか、そうか、新しい物語が始まるかもね」
「ばか、そんなに簡単には行かないわよ」
「いやいや、純愛じゃなくても、寝取られの僕のおかずにしてくれればありがたい」
妻はそれ程いやそうでも無かった。何せ、今まで経験の無い、スポーツマンだし、娘の彼氏といっても不思議じゃない位に年下だし・・・。
「期待するよ」
「馬鹿…」
結局金曜日にデートすることになったようだ。彼は免許も無いから、妻が車を出すらしい。
LINEだけじゃなく、LINE電話でも話している。妻のLINEは一昨年から私の仕事用の携帯で見る事が出来る。勿論、妻にはバレていない。
デートにはいつものバッグを持っていくだろうから、充電済みの感応式ICレコーダーを忍ばせる。
妻のデート対策は慣れたものだ。これで、彼女が内緒にしたい事も知られずに把握できる。
私は普通通りに会社に行って、夕方いつもと同じ時間に帰宅した。妻は在宅していた。
「あれ?デート行かなかったの?」
「行ったわよ。でも、ご飯食べただけ。お土産は無いわ…」
「あら、残念だね…期待したのに…」
「また次の機会ね」
「次は約束したの?」
「希望は言われたわ。でも、考え中。あなたの許しも必要だし・・・」
「いい子だ」
※元投稿はこちら >>