その日の夜、いつも通り別室でそれぞれ眠りに就こうとしていた頃、妻の部屋から少し大き目な声が聞こえた。
気になって、妻の部屋に仕掛けた盗聴器の音声を聞いた。
「だから…、私は別れる気はないのよ‥‥」
「そんな無理な事は言わないで‥‥、そんなことしたらアナタの立場も悪くなるわ」
「‥‥‥今のままじゃダメなの?」
「そんな事言うなら…、もう会えない」
「そう、絶対。だって、家庭を壊したくないもの‥‥」
「‥‥ゴメンナサイ。でも、あなたを愛している事は嘘じゃないわ。それでも、家庭は壊せないのよ…」
まぁ、女に慣れていない真面目な男ならそうなるだろうな…。
だけど、もしも妻と結婚しても、結婚したとたんにスケベは隠されちゃうんだ。そして旦那である先生に内緒で、外で浮気を重ねる。妻はそういう女なんだ。それを理解して、愛せなければ妻の旦那は務まらないのだよ‥‥。
翌朝、妻は落ちこんだ風だった。
「どうしたの?先生と喧嘩でもしたの?」
「…うん。喧嘩と言うか…。どうしても私と結婚したいって言われるの…」
「先日泊りに行ってあげたのにね、欲張りな先生だね」
「ちょっと疲れたかもしれない」
「嫌いになったの?」
「ううん。嫌いになった訳じゃないけど、このまま付き合っていたら、きっと彼がダメになるって思うの」
『もう、充分ダメになってるんじゃないの?』
「そうか、せっかく助教授で県の公務員だからね。何かあってその地位を失うのは勿体ないよね」
「でしょ?その地位にあることも彼の魅力の一つなの。学会で発表するような大学の助教授に抱かれるって意識すると興奮するのよ…」
「まんこ‥‥いや、高慢だな」
「(笑)冗談じゃないのよ。私の家族に何か気概を咥えるような事件になったら嫌だし‥‥」
「そうか、じゃ、現実を突きつけるか?」
「え、どうするの?」
「手を切らないと大学にも文句を言うし、慰謝料も請求するって。俺が言おうか。現実が目の間に来れば、きっと夢から覚めるよ」
「そうね。でももう少しこのままにして…もうすぐ飽きそうだから‥‥」
※元投稿はこちら >>