寝取られ夫が抱える不安。
それは、楽しめる範囲には限界があるって事。
確かに何度もその限界は突破された。どの都度、痛いほどの興奮が伴った。
でも、勝手に行動されるのは耐えがたい。
例えば寝取られの為のゲームが何年もかかって、その間、私が何かを耐えなければいけない状態であったら、多分、寝取られの快楽も愛する妻も捨てるだろう。
今の中井さんの話はギリギリだ。
単なる浮気であって、寝取られのゲームでは無いような気がする。
「それって、俺の寝取られの為にしてくれたことか?」
「‥‥どういう意味?」
「ただ単に、おまえが中井さんとやりたくて会っていたんじゃないか?」
「…でも、前に言われた。私の心が奪われるほど寝取られたいって言わなかった?」
「言ったかどうかは解らないけど、そんな風に思った事もあるよ。だけど、一瞬なら許せるけど、数か月もだと、それはプレイじゃない。単なる浮気で、僕への不貞行為だ」
「不貞行為って…、私は貴方が喜ぶと思って…」
「限度ってものがあるんだよ」
「待って、中井さんと何時からって聞かないの?何回したって聞いてくれないの?」
「‥‥・」
コートを羽織った私は一人で、家の外に出た。
宛ても無く歩いていつも使う居酒屋に入った。
何時も余り飲まないのに、この夜は浴びるほど飲んで意識を失った。
気が付くと、自室のベッドに横になっていた。
ドアが開いて、妻が氷水を持ってきた。
「気が付いたのね。居酒屋のご主人から連絡を貰って、迎えに行ったの。覚えて無い?」
頭が割れるように痛い。
「いいから、放っておいてくれ…」
妻はベッドの傍らに土下座して言った。
「ごめんなさい。私が調子に乗り過ぎていたみたいです。どんな罰も受けますから許してください…」
そして、静かに部屋を出て行った。
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