他人の嫁さんの裸を、旦那の目の前でどうどうと動画に撮るなんて・・・・・・
いやいや、いくらなんでも。それはダメだろ。
私は島崎に向かって必死に手を振ったが、島崎は撮影をやめようとしない。
それどころか、島崎はノートパソコンの画面にスマホをギリギリまで近づけて
嫁さんのおっぱいをアップにして撮影していた。
「ねぇ、たっくん? 今、何か音しなかった?」
「・・・・・・」
やばい。ピンチだ。本当にどうしたらいいんだ??
でも、とりあえず嫁さんに何か答えないといけない。
「ん? 何か聞こえた? 俺は何も聞こえなかったけど・・・・・・」
と、私は白を切った。
「ふ〜ん、そっか。じゃあ気のせいか」
嫁さんがそう言っている間も島崎は嫁さんの裸を撮影し続けているので、
とりあえず私はビデオ通話を終えることを試みた。
「絵美、今日はもう寝よっか」
「え? もう?」
「うん」
「え? 今日はしなくていいの?」
嫁さんはちょっぴり不思議そうな顔をして続けた。
「だって、たっくん、出張の時はいつも私の裸見て、自分で”して”から寝るじゃん」
嫁さんは、さらっと私のとんでもなく恥ずかしい秘密を島崎に暴露してしまった。
島崎は、私を指さし、腹をかかえ、声を殺して笑っている。
私はもう、、完全に詰んでる状態だった。
もうどうでもいい。たのむから、今日はとにかく終わりにしてくれ、と藁をも掴む思いで、
「え、うん。今日は、ちょっと疲れてるから、、いいや」
私がそう言うと、嫁さんは、逆に私を挑発するかのように、言った。
「な〜んだ、お風呂上がりだから、私、今パンティー履いてないのにな・・・・・・」
おいおいおい。もうやめて。もうこれ以上、俺を困らせないでくれ。
そして、もうこれ以上、島崎を喜ばせないでくれ。
このままでは気がおかしくなってしまう。と思った私は、意を決して嫁さんに言った。
「ホント、今日はもう大丈夫。明日帰るから、明日にしよ。ね」
すると、さすがの嫁さんも諦めたのか、
「そっか、たっくん、本当に疲れてるんだ、ごめんね。大丈夫?」
「う、うん、大丈夫。俺のほうこそ、ごめんね」
私はいろいろな意味をこめて、『ごめんね』と嫁さんに言った。すると嫁さんは、
「じゃあまた明日ね。気をつけて帰ってきてね。おやすみ。チュッ」
嫁さんは可愛くキスする仕草をし、無事? ビデオ通話は終わった。
・・・・・・
『ピコ!』
島崎が動画撮影を終える音がホテルの部屋に響いた。
そして、島崎が第一声、
「おおぉー!すげぇ〜もの見ちゃったよ!マジですげー!
すげー美乳だった!! 青木、お前マジで神だーー!!
でも最後、あともう少しで下のお毛々も見れたのにーー!!!(笑」
文字通り満面の笑みを浮かべて、大興奮して騒ぎまくる島崎を見てたら、
私もどっと力が抜けてしまい、不覚にもつられて笑ってしまった。
が、・・・・・・いや、笑っている場合じゃない。私は我に返って言った。
「おい、島崎、その動画消してくれよ」私は当然のこととして島崎に言った。
だが、島崎は全く意に介さず、一言「え? イヤだよ」
これにはさすがの私も、
「いやいやいや、百歩譲って裸を見られちゃったのは、まぁ仕方ないとしても、
他人の嫁さんの裸を撮影するなんて、ありえないでしょ?」と言い返した。
すると、島崎は今度は開き直って言った。
「だって、しょうが無いじゃん、青木の嫁さんが自分で見せてくれたんだもん」
「いやいや、見せてないって、嫁さんは島崎が見てること知らなかったんだから」
「それはそうかもしれないけど・・・・・・。それよりさ、青木、これ見てみろよ!」
そう言うと、島崎はまったく悪びれることもなく、私にさっき撮った動画を見せてきた。
「ほら、青木の嫁さんのおっぱいやっぱ美乳だね〜。想像以上だったわ〜」
それはノートパソコンのモニターを撮影したとは思えないくらい綺麗に映っていた。
島崎のスマホの画面にアップで映る嫁さんの白い胸は、その中心にある乳首や乳輪はもちろん、
その色や形、小さなホクロまで鮮明に映っていた。
「島崎、たのむ。そんな動画があるのが嫁さんにバレたら、俺マジで殺される」
「そんな大げさだな〜。殺されやしないって」
「いや、島崎、マジでたのむ。本当に消してくれ」
「大丈夫だって。誰にも見せないし、俺だけの宝ものにするから」
私はこれではらちが明かないと思い、
「頼む! 何でも言うこと聞くから、消去してくれ」
すると島崎は少し驚いた顔してこたえた。
「マジで? なんでもいうこと聞いてくれるの?」
ああ、どうしてこんなことになってしまったのだろう・・・・・・
ちょっと魔が差して嫁さんとビデオ通話をしただけなのに、
どうして俺が島崎のいうことを聞かなくちゃならなくなってんだ?
そんな私の気も知らず島崎は、
「わかった。本当に俺のいうことを聞いてくれるなら、消去するよ」
「マジで?! よかった。で、どうしたらいいの?」
島崎は少し間を開け、ニヤッとして答えた。
「今度、青木の家で、宅飲みがしたい」
「俺の家で宅飲み?」
私は一瞬、肩透かしを食らった気がした。そんなことで良いの?と思って正直ホッとした。
「そんなの、ぜんぜんいいよ」と軽く答えると、
「あっ、でも一つ条件があるんだよね」島崎が返した。
「え?なに?」
「その宅飲みのとき、青木の嫁さんにあの時と同じ服を着てもらいたいんだよね」
「え?あの時の服って、あのノースリーブ?」
「そう。去年のバーベキューの時に着てたやつ」
「それって、またあの時と同じ格好を嫁さんにさせろっていうこと?」
「そういうこと」
「そんな格好したら、また見えちゃうかもしれないじゃん」
「かもね・・・・・・(笑」
島崎がそうニヤニヤして言うので私は
「っていうか、島崎お前、また俺の嫁さんのおっぱい見る気まんまんだろ」
「当ったり〜! いいじゃん。俺の”推し”の生おっぱいまた見せてくれよ〜。
俺もう見ちゃったんだから、一回も二回も三回もいっしょだろ〜(笑」
島崎は開き直り、笑って言った。
なので、私はせめて少しでも対抗しようと、
「あ〜、あの時のノースリーブね。まだ嫁さん持ってるかな〜? もう無いかも・・・・・・」
と白々しく返答すると、島崎は
「え? もう持ってないの? じゃあ、この話は無かったということで・・・・・・」
いやいや、それは困る、と思った私はとっさに、
「あっ、いや、たぶん、大丈夫。まだ持ってると思う」
「もし無かったら?」
「そ、その時は、嫁さんに似たようなのを着るように言うから大丈夫・・・・・・」
そう仕方なく私が答えると、島崎は最後に念を押すように言った。
「あっ、でも、俺が満足するようなやつじゃなかったらダメだからね」
島崎が満足するようなやつってどんなんだよ?
っていうか、そもそも嫁さんはそんな格好してくれるのか??
そんなことどうやって、嫁さんにお願いしたらいいんだよ???
でも、この場はとりあえず島崎の要求を飲むしか他に選択肢は無かったので、
私は宅飲みで島崎が満足するように出来る限り協力することだけ約束した。
そして、最後に島崎が私に聞いた。
「で、その宅飲みだけど、いつにする? 今週末とかは?」
「今週末? じゃあ帰ったら嫁さんに聞いてみる・・・・・・」
「あぁ、早く青木の嫁さんに会いたいな〜ワクワクするよ」
「・・・・・・」
いったい、どんな宅飲みになるんだ? そのとき嫁さんは? 私は??
いろいろ考えると、またドキドキすると同時になぜか胸騒ぎを感じた。
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