このことは、それから暫くは妻には聞き出せずでした。
２年くらい経ってからです。妻に「病院に全身刺青みたいな人が来ることがあるんじゃないの？」って聞きました。別に何もかまをかけた訳でもなく、ただ刺青の男の姿がずっと頭に残っていて、無意識に話したんだと思います。
妻は「うん、あるよ」って平然と答えました。「怖いだろ？」って笑って聞いたら、「だいぶん前になるけど、そんな人がうちの病院にも入院してたよ。でも、ものすごく優しくて、看護婦の中では逆に人気だったわよ。」
それから、急に胸騒ぎがしてきて、私は立て続けに質問責めにしました。そして確信しました。その男こそが妻を我がもの顔で抱いてた奴だと言うことを。風貌や刺青全てが一致したのです。
でも何故、あんな二まわりも歳が違うような男と‥
あのDVDを妻と観るのは辛すぎるので、何とか口を割らせようと思いました。
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