私は妻がイクときの声が聞きたいと言いました。ただし、録音はダメだ、ライブで聞きたいと言いました。
シュウト君は、分かりました、明美さんにわからないようにスマホでつなぎます。でもあまり長いと気づかれる恐れがあるので、イクちょっと前からでいいですか?と言ってきました。
私はもちろんかまわない、シュウト君に任せると言いながら、あれ?明美は余り声は出さない方で、イクなんて絶対に言わない、ふつうに、アッとかアーンとか言いながら、イクのでちょっとわかりにくいはずだが、シュウト君にはもうわかっているのかと何気に思っていた。
今度はいつ会うことになっているのかと聞くと、すいません、土曜日の昼です、とすまなそうに言ってきました。
いいよ、これからは隠れて会うことは無しということで、じゃあ、よろしく頼むよ。
連絡先を交換して私達は別れた。
私は家に帰ると妻が待っていた。
妻は前よりも美しく、色っぽく見えた。
無性に妻を抱きたかった。
でもできなかった。ふとあの二人で写った嬉しそうな笑顔の写真が頭に浮かぶ。
妻に拒まれるのではないか?
いや、そんなことがあるはずが無いと思いながら、私には妻を求めることができませんでした。
つづく
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