「痛い時には遠慮なくお申し出くださいねぇ」
「・・・。」
人見知り発動中の嫁は返事出来ない。
「少し肩が張っていらっしゃるよですねぇ。痛くはないですか?」
「・・・。」
さっき返事をしなかったので、今度は更に返事をしにくくなってしまった嫁。
「もう寝ちゃったのかもしれないですよ。今日はたくさん歩いて疲れましたんで。」
「・・・。」
こうなったら寝たふりをしようと考えるのがうちの嫁である。人を無視するのが良くない理由は、無視された人が傷つくからである。
人見知りだがお人好しの嫁は、他人だとは言えおじさんが傷つく事はしたくない。
だが人見知りのせいで無視してしまった。
その現状を、誰も傷つけずに解決する方法が『無視ではなく寝ていた』である。
俺はうつ伏せになってる嫁の顔を覗き込みながら、「寝てる?」と聞いたが、嫁は目を瞑ったままで何も答えなかった。
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