コンさんは食事に行けた事を繰り返し嬉しそうに
話をしてくれました。私は、いつもより早い時間でしたが
店を出る事にしました。コンさんに
「今日はもう帰りますね。」と告げ席を立つと、
「もう帰るのか?別の店に行くの?」
「今日は帰ろうかと…。」
「どうする?俺も帰るけど家に来て飲むか?」
コンさんから家飲みの誘いでした。初めて家に行く事に。
タクシーに乗りコンさん宅に向かいました。
道中、どのあたりに住んでいるんだろう?
どんな家なんだろう?途中、何か飲む物を買わなくていいか?
そんな事を考えている間に家まで到着しました。
長屋が数件並んでいました。コンさん家は一番前の並びの
家でした。ママから聞いていたけど、後の数件がコンさんの
賃貸管理物件なのだと思いました。(後でママに確認して分かった
事ですが、残りの長屋では無くその前に建っている小さなマンション
2棟が賃貸物件でした。3階建て2棟かな。)
玄関衣入りました。部屋に案内される廊下には脱ぎ捨てた
シャツや下着が放置されていました。 部屋に入り腰を降ろしました。
台所で飲む物をコンさんが準備している間、部屋一面を
目で追いました。部屋の隅には成人雑誌が乱雑に置かれていました。
借りて来たであろうAVのDVがテレビの前に数枚ありました。
店で飲んでいる時とは違った気分で飲み始めました。
店では聞き出せなかった事をコンさんに話しかけました。
どこまでは本当の事なのか、本心なのか分かりませんが
コンさんが話してくれる事を聞きました。凄く上機嫌で話して
くれました。「この前連絡しただろ。あの時に食事の誘いを
したらOKだったんだよな。」「マジですか。自分も今日ビックリ
しましたよ。一緒に店に入って来たもんだから。」
「また誘ったら来てくれると思うか?」
「今日、来てくれたんなら大丈夫なんじゃないですか。」
「玲ちゃんも寂しいみたいだしな。実家は地方らしいから。」
「そうなんですか。」初めて知った情報でした。
「知り合いの女友達といっても会社の同僚ぐらいみたいだぞ。」
なるほど。分からなくも無いな。と、思いました。
コンさんと話をしている内にでしたが、私には行動できない事を
コンさんに実行してもらったらどうだろうと考えるようになって
いました。行動もありますが、願望と想像といった思いも
湧き上がっていました。私はコンさんを利用して私が思っている
事を代わりに実行してもらよう上手く話を持ち上げました。
「コンさん。ところで彼女の事をどう思ってます?」
「どうって、今日だって一緒に飯食えて良かったな。」
「本当にそれだけですか?」
「若い子と話を出来るとは思ってもいなかったしな。おまけに
ラインにしても飲み屋の姉ちゃんが交換して、店に来て―って
商売の絡みの連絡しか入ってこんしな。けど、玲ちゃんは
違うからな。 唯一のライン友達ってやつだな。」
「どんな話をするんですか?」
「まだそんなに連絡はしていないけどな。」
コンさんとそんな話をしている最中でした。時間はもう遅い時間
でしたが、コンさんの携帯にラインの着信音が鳴りました。
彼女(嫁)からでした。「今日は、ごちそうさまでした。」ハートの
スタンプ付でした。 コンさんも更に上機嫌になっていました。
「何か返事を返してあげた方がいいですよ。」
「そうか。何て返そうか?」
「また次回も食事に行こうな。とか、誘ってみれば。」
コンさんは、そのまま返事を返したようでした。
即行でまた返信がありました。「はい。また誘ってください。」
と返事がきた事を教えてくれました。 コンさんと話を再開しました。
「良かったですね。俺なんて一歩前に出れないから。」
「ダメ元って言うだろ。ラッキーかな。」
「自分も相手が結婚していなかったら別なんですがね。」
「そうだな。俺は、歳の差もあるし玲ちゃんも単なるオジサン
としか思ってないだろうからな。」
「分かりませんよ。歳の差なんて関係ないかもですよ。」
「そうなのか?一か八かチョットだけアタックしてみようか?」
「確かめてみるのも有りですね。」
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