ホテルという今までとは違う状況がそうさせたのか。
私自身も言い出せなかった事も含め疑似プレーにも
慣れてきていた事もあってなのか。いつもとは違った。
確かにそれまでにも嫁から受けた告白の内容は完全に
アウトと言ってもおかしくは無い出来事ではあったが、
最後までは関係を持っていないと言う言葉を信じようと
自分に言い聞かせてきた。
嫁は浴室の床にしゃがみ込んでいた。鏡越しに私を
上目づかいで見ていた。 直接は目視出来なかったのだろう。
無言のまま私は一旦先に浴室から出た。
部屋の椅子に座りガラスの向こうに居る嫁の後ろ姿を
ただ眺めていた。しゃがみ込んだまま動かない嫁。
暫くその様子を見ているだけだった。腰にタオルを巻いたまま
浴室に向かった。 少し顔を上げた状態で、どこを見ているのか
分からない視点で浴室の壁を見ているだけの嫁だった。
加奈。と数回声を掛けた。ようやく、ゆっくりと私の方に顔を
向けた。嫁に近づき軽く頭に手を当てた。手に持っていたバスタオルを
嫁に渡し浴室から出た。 嫁も出て来たが部屋の真ん中で
立ち止まり下を向いたままだった。 そんな嫁の手を取り
ベットに座らせた。 正直に言ってくれてありがとう。
そんな言葉を嫁にかけていた。
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