布団に入り妄想をしていた時だった。
「終わったから今から帰ります。」とラインがきた。
店も終わったんだ。帰るということか。そう思うと
私の妄想も加速した。この後どうするんだ?
今日もあの健さんという男性と会うのか?
一緒に飲みに行くのか? 飲み過ぎて酔ったらどうなる?
あの日、初めて酔いつぶれた嫁の姿を見た時の事を
思い出した。そして、その時の出来事を私の代わりに
嫁と男性を重ね合わせ妄想した。いつか他人にも同じことを
される日がくるのか?もしかすると今夜にも起こってしまうのか?
こんな妄想をして興奮している自分にも気付いていた。
危険な妄想と起こるかもしれないと予測も立ったが
止める行動を取れない自分でもあった。嫁の顔を見るまで
落ち着かない夜を数日過ごした。週が明け仕事から帰ると
部屋には嫁が居た。なぜかホッとする気分だった。
週末が近づくにつれ私だけがソワソワした気持ちに駆り立てられていた。
何も言えないまま週末になった。嫁が留守をしている間は
同じ妄想を繰り返していた。そんな時だけが数週間と経って行った。
あの日の夜のように当然だが電話が鳴る事はなかった。
期待もしないまま電話が掛って来ないかという願いも薄れていた。
そんな時だった。仕事終わりのラインがいつもの様に嫁からあった。
今までならそんな連絡だけだったが数分して再度嫁からの
ラインが送られてきた。「まだ起きてる?今からだけど
少し飲んで帰るけどいい?」私は急なラインの内容に動揺した。
気持ちを落ち着かせ返す返事を考えた。
誰と飲みに行くの?店の子達と?
「店の子達もだけど、お客さんもこの後一緒に。」
大丈夫なのか?飲み過ぎないようにな。
「分かった。ごめんね。」
また帰る時は連絡をするようにな。 私は忠告のつもりで
嫁に返事を返した。「連絡するね。」嫁からは
その一言だけだった。もう遅い時間だった。「帰ります。」
とラインが届いた。少し眠りかけていたが一気に目が覚めた。
飲み過ぎていないか?大丈夫か?
「ごめんなさい起こした?大丈夫だよ。」
少しだけ電話してくるように。そう伝えた。
数分してからだたが嫁から電話がかかてきた。電話越しでは
あったが、声や話すトーンで酔っていると感じた。
たいした内容の話はしなかった。酔っているとは感じていたが
大丈夫そうだな。酔って無さそうだし。もう帰るんだろ。
気を付けて帰るんだぞ。そんな言葉を嫁にかけた。
電話を切った後、少し空白の時間が過ぎた。
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