これ以上遅くなると電車も無くなる。タクシーでの帰宅か急遽
ビジネスホテル?そんな事も考えながら店を出た。
エレベーター横の階段に腰を降ろした。フロアーがニギヤカナ声で
響いた。店からお客が出て来たようだった。ビルのガラスにその様子が
映されされていた。二人の女性スタッフに一人の男性だった。
ガラスに映った姿でしたが、何となく嫁のような気がした。
しかし服装はドレス姿だった。一人の女性スタッフは店に戻ったが嫁かと
思う女性は男性と一緒にエレベーターに乗り込んだ。
少し千鳥足だったが階段を使って後を追う様に降りていた。
階段を下り終わった時には、二人の後ろ姿を確認できた。
少しの不安な気持ちが頭の中をよぎった。男性だけがタクシーに乗った。
嫁と思わしき女性は一人で歩いて飲み屋街から少し離れた場所まで移動した。
そのまま立ち止まり誰かを待っているようだった。1台の車が女性の前で停まった。
物陰に隠れた。目の前を車が走り去って行った。
運転していたのは女性だった。それと同時に助手席に座っていたのが嫁であったと確信した。
気付けば年の瀬も近くなっていた。義母の説得も有り嫁も戻って来た。
しかし、嫁とは十分な話はまだ出来ていなかった。
嫁との生活も復活して、本題に触れる話をしてきたのは嫁からだった。
家で嫁と晩酌をかわすのは久方ぶりだった。
やけに嫁も飲むようになったとは感じていた。
表現できないが変な沈黙が数分間だが感じたと思う。
「話したいことが有る。」嫁からの一言でした。
黙って話を先に聞く事にした。家を出てからの生活の事からだった。
話は戻って来るまでの2ヶ月前からの事に話が進んだ。
飲み屋で仕事をしていた事も正直に話をしていた。
戻る前には店も辞めてきた。とも説明された。
一通りの話を聞いた。どうしても飲み屋で働いていた時の事が
どうしても詳しく聞きたい気分になっていた。
尋問とまではいかなかったが嫁に質問した。
店で仕事なんて勤まったのか?
変な客もいるだろ?大丈夫だったのか?
お客との連絡は消去したのか?
頭に浮かんだ事を質問していた。
そんな嫁からの答えで「変な人だか分からないけど、エロいお客はいたかも」
どんなお客だったのか?
「すぐに触って来る人とか。」
他には?
「エッチな話は好きなお客さんとか。」
加奈は触られたりしたのか?
「基本的にはカウンターが有るから大丈夫だった。」
大丈夫だった?何も無かったって事じゃないのだろ?
「そんなに言われたら確かに何かしらは有ったと思う。」
嫁の話を聞いている内に何かが変わり始めていたのでした。
そんな話の流れで「年末だけど、手伝いに来てほしいって
言われているの。ダメだよね。」唐突に嫁から持ちかけられた
話しの上に少し理性が情緒不安定だったこともあってか
数日なら。と承諾していました。
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