逆にその件で嫁から問われた。
「どうしてあんな事を言ったの?怒ってくれなかったの?」
信じたから。それと、言うのが怖かった。 偶然い電話がかかったと
自分に言いきかせた。と伝えた。
嫁から言われた事で少し我に返った。 それでもどこか抑え切れない
気持ちは続いていた。 一旦話を切る様に風呂に入った。
風呂から出ると嫁の姿と気配が感じなかった。
携帯が点滅していた。 ラインの着信だった。嫁からだった。
「信じてくれないと思うけど、それ以上の事や関係はもって無いです。
先日の事も正直言います。会ってました。夕食を一緒に食べただけです。
止まったのは本当に友達の家です。女性です。」
私は、いいから家に戻って来るようにと伝えました。
嫁からは、「少し気持ちを落ち着かせたら帰ります。」と返事があった。
嫁が帰って来るのを部屋で待った。 嫁が帰って来た。
部屋に入って来たが無言のまま部屋の入り口で立ったままだった。
私は先に風呂にでも入って来いと促した。なかなか風呂から出てこない嫁。
気になり風呂場に向かった。浴室からはシャワーの音が聞こえていた。
少し安心して部屋に戻ったが、幾ら待っても風呂から嫁が出てこない。
もう一度風呂場に足を運んだ。まだシャワーの音が聞こえる。
浴室のガラス越しに嫁の姿は写っていた。扉を開けた。
ユニットの床に座っている嫁。浴室はヒンヤリしていた。
頭からシャワーを浴びている嫁。 様子が変だと思い中に入った。
嫁は冷水を浴びていた。 頭は下を向いたままだった。
直ぐに蛇口を閉めた。 冷たくなっていた。 シャワーの音で分からなかったが
嫁の泣いている声が初めて耳に入った。 私は着衣のままだったが関係なく
嫁の体にバスタオルを掛け温度調整をした暖かいシャワーを
当てた。嫁は震えていた。 必死で「ごめんなさい。」と何度も
繰り返していた。 もう分かったからと言っても、止める事無く
「ごめんない。」と言い続けていた。 手を貸し湯船に入らせた。
私は着衣のままだったがそのまま浴室で暫く一緒に居た。
嫁は気力を失ったかのように体の力も抜けきっていた。
浴室から連れ出したが脱衣場の床に座り込む状態だった。
初めて嫁の髪をドライヤーで乾かした。 シャツも着せたが
力の抜け切った嫁に下着一枚着せてやるのは困難だった。
そのまま寝室の布団に寝かせた。 私はリビングに戻り気持ちを
整理させた。 薄暗くした寝室に向かった。
私は自分の布団に入った。 どれぐらい時間が経ていたか不明だが
ただ布団に入っているだけの時間が過ぎていた。
一瞬だった。私の布団に飛び込むように嫁が入って来た。
そのまま私に抱き付いてきた。 震えているように感じた。
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