〈月曜日〉
ここしばらく私は仕事が忙しく書類関係は持ち帰り家でも仕事をしていました。
妻は「イルミネーションがやっているから行きたい」と…
私は「いつもの事…」「何度か行った…」「仕事が片付いたら」と仕事でいっぱいいっぱいだった為、真剣に話を聞く事をしませんでした。
妻「もう!ちゃんと聞いてる?」
私「わざわざ仕事してる時に言わなくても…」
妻「仕事って言えばなんでも許されると思ってる所がいや」
私「そういう訳じゃないよな(イライラ)…じゃぁテルくんといけば?(苦笑)」
妻「(顔を真っ赤にして)わかった!もういい!」
ダンダンダン!と2階へ…
私は明日に提出しなければいけない書類作成を続けました。
〈火曜日〉
夜
妻「テルくんとイルミ行くことにした」
私「えっ?」
妻「行けないんでしょ?」
私「なんでテル?○○ちゃんと行けば良いじゃない」
妻「昨日、あなたがそう言ったんでしょ!」
私「言ったな…冗談だけど…」
妻「あっそう!怒」
と言ってまた2階へ…
こうなると言葉を交わせば交わすだけやり合う事になるので放置。
しばらく仕事をしていると
ポ~ン
テル『次の土曜日に、みきさんと○○のイルミネーションに行く約束しました!』
ポ~ン
テル『今、みきさん近くに居られるんですか?』
私『1人で寝室にいるんじゃないかな?私は仕事してるので』
テル『そうなんですね。みきさんとも並行して連絡やり取りしてるので。○○のイルミは毎年友達と行ってるので、みきさん誘ってみたんです。そしたらOKが出ました!』
私『いつ誘ったの?』
テル『たった今です。どうしてですか?』
私『そうですか』
まさか喧嘩してるとは言えず…
それにしても…タイミングの良い男だ。
テル『なんだか即答でOKだったから。みきさん、イルミ好きなんですね。』
私『さぁ…どうなんでしょうか。とりあえず了解いたしました。では私は仕事があるので…』
テル『あ、お仕事中でしたね。お邪魔しました。ありがとうございます!』
…それから妻とは「おはよう」「いただきます」「ごちそうさま」「おやすみ」の4つの言葉だけで金曜日の夜まで過ごすことになりました泣
〈金曜日〉
妻「明日、本当にテルくんとイルミ行ってくるけど…」
私「あ、そうか…」
妻「はぁ…そうじゃなくて…連れて行ってくれないのかな?って」
私「…先に言うけど.…喧嘩するつもりはないからね。明日、仕事だし本当に今、仕事大変だから今週とか来週とか無理そう。待ってもらえないなら仕方がないかな…って」
妻「そうだね。仕事じゃ仕方ないよね。私も感情的に言っちゃって…ごめんなさい」
私「いや、全部こっちが悪い。ごめん。テルくんと行った後でも良かったら仕事が片付いたらイルミ行こうよ。」
妻「うん。わかった」
口喧嘩の後に勢いで約束したにしては…
気が収まった時にテルとの約束をキャンセルする事も出来るんじゃないの?
仕事が終わってからだって十分行けるのに今じゃないとダメなの?
単にテルに会う口実が、うまい具合に出来た…って感じなのかな?
そんな事を考えながらですが、再び口喧嘩になるのは困るので事を荒立てず平和に解決しました。
〈土曜日〉
ポ~ン
テル『今日、イルミ行ってきます!』
私『あ、気をつけて行ってきてください』
テル『はい。それから…。みきさんのOKが出たらカーセックスですね』
私「あ~っ!!すっかり忘れていた!!」
私『イルミですよ…目的は』
テル『はい。わかっています!一応、念のため…すみません』
私『妻はイルミを楽しみにしてたんで、そこ最優先で。あとは約束だけ守ってくれれば。』
テル『了解いたしました!』
私は、仕事で頭がいっぱいで、そこまで頭が回っていなかった事もありテルのメールを見て焦っていました。
私「仕事が終わって一旦帰る。バイクに乗り換えて尾行…間に合うかな…」
急いで妻の様子を伺います。
私『今日は何時に出かけるの?』
ティロ~ン
妻『18時に○○駅のロータリー。どうしたの?』
私『今日は20時までは仕事をしようと思って。晩御飯どうしようかと』
妻『土曜日なのに遅くまでご苦労様』
私『しかし行く時間早くない?』
妻『なんで?早く行って早く帰ってくるから。でも21時は回る?かな?』
私『そうなの?22時のフィナーレが見ものなのに』
妻『いいよ。イルミが見られれば』
私『じゃ、晩御飯は外で済ませて帰るよ』
妻『ありがとう。ごめんね』
私『了解』
そして、ひたすら仕事に励みました。
私「お~い高平君!」
部下を呼びます。
高平「はい。」
私「ちょっとお願いが!」
高平「なんです?」
私「今日さ仲間内で飲むんだけどさ、2次会はキャバクラなんだよ。でさ妻にバレると、うるさいからさ、高平君と飲んでた事にしてもらえない?」
高平「え~っ!いいなぁ。」
私「今度、そこ連れて行ってやるから!もちろんおごりで」
高平「ホントですよ!?やった!僕の名前でよければバンバン使ってください!」
私「アリバイ作りも大変だよ~」
高平「悪いご主人様ですね~」
17時
大急ぎで会社を出ます。
家までは車で30分として
その頃には妻は家を出ている。
一旦、家に入り昔被っていたフルフェイスのヘルメットを引っ張り出して、着替えて、原付に乗り換えて18時間に合うか合わないか…
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
18時…
駅に着きましたがロータリーではなくロータリーが見える高架橋へ…
私「あ~、いない…間に合わなかったか…」
イルミネーションの場所はわかっているのですが
駐車場で車を探さなければならないのが面倒です。
私「計算通りには行かないもんだな…」
とぶつくさ言いながら先を急ぎます。
イルミネーションが開催される場所の駐車場入り口近くになり渋滞…
私「渋滞にハマってくれていれば」
と、一台一台確認しながら追いかけて行きますが見つかりません。
原付なので駐車場までは確認しながらでもあっという間。
奥から順に誘導して駐車させて行っているので直ぐにわかりそうなものですが…ない。
焦ります…
又、渋滞が始まる駐車場の入り口まで戻り、もう一度…
駐車場に到着。
一台一台確認してる時に気が付きました。
私「あ~!そうか!」
テルを呼び出す時に決まってステーションワゴンに乗ってくる…ずっとそれを探していましたが。
目の前に白のワンボックスカー。
ナンバーは○○-○○。
私「カーセックスするにはこれの方が後ろは広いからか…、それとも私の尾行を嫌って知らないはずのワンボックスにしたか?」
どちらにせよ見つけました。
後はひたすら待つのみ。
近くのコンビニへパンとホットコーヒーを買いに行きバイク置き場に駐車。
またがったまま、20~30m先のワンボックスカーを監視しながら食べます。
19時30分頃…まだまだです。
フルフェイスを被ってウロウロするわけにも行かずじっと耐えます。
20時…
20時30分…
気の遠くなるほど長く感じます。
21時前になり家族連れが帰り始めています。
続く
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