恭子の身辺調査は、昨年の暦では秋とはいえまだまだ残暑が厳しい頃に始まりました。
恭子の行動パターンが週2回、フラワーアレンジメント教室をマンション共用ルームでしていること以外わからないので1週間私が出勤後帰宅するまで調査することにしました。
調査報告書
依頼人 小田雄一郎様
当該人 小田恭子様
担当 ○×△●▲▼探偵社 ▼×▽◎
調査依頼後1週間して探偵社で受け取った報告書の表紙にはこう記載されてました。
私は報告を受けて驚きました。それは、紙面と写真での報告だと思っていたのですが、映像も添付されていたからです。
会話付の映像が撮れる場合があるので、より証拠能力が高くなるとの説明でした。
それと成果がなかった場合でも調査をしていたことの証拠になるのでしているようでした。
○月○日(調査初日)
午前8時 依頼人が娘と出勤、当該人も玄関前で見送り
私が出勤する様子と見送る恭子の映像
午前9時 当該人マンションエントランス横ゴミステーションへゴミ出し
恭子がゴミ出しをする映像
午前10時 当該人自室べランダで洗濯物を干す
恭子がベランダの物干しに洗濯物を干している映像
恭子が堅実に家事をしている様子が続きました。
午後1時 当該人外出、行動を尾行
恭子が普段着から外出着に着替え玄関から出て、マンションエントランスから出ていく映像
外出着といっても、例の派手なファッションではなく白のブラウスに淡いピンクのスカートでした。
そして、音声も入っていました。
探偵B「当該人部屋から出ました。着替えていることから外出の模様」
探偵A「了解。エントランスから出たら尾行開始します。Bさんはそのまま留守中監視」
探偵B「了解」
恭子がエントランスから出て、探偵たちと反対方向へ歩いて行く映像
探偵C「出て来ました」
探偵A「俺行くわ。Cさんは車で付いてきて」
探偵C「了解」
探偵Aが車から降りて恭子の尾行を開始しました。
恭子が行ったのは、駅前のファーストフード店でした。そこで、恭子はテラス席で飲み物を飲んでいます。
探偵AもCの車から恭子を監視している映像
男と待ち合わせしているのか?と思ったのですが、恭子は飲み終えると席を立ち、店のゴミ箱へカップを捨てると歩き出しました。
ただの休憩だったようでした。
探偵C「今度は僕が行きます」
探偵A「よろしく」
当該人に尾行が感ずかれないように交代で尾行をするようでした。
恭子を尾行する映像なのですが、AとCの映像以外に撮られてる映像があることに気づきました。Cの後方から歩いて撮影していました。
この事は、後から探偵に訊ねてわかったことなのですが、当該人が急に戻ったり、角を曲がった所で立ち止まったりされた場合のバックアップ要員とのことでした。
調査料がなぜ高額な良い価格なのが、良くわかった説明でした。
そうこうしているうちに恭子は駅近くのスーパーに入りました。
探偵Cが尾行して店内に入って撮影しましたが、恭子は買い物をしただけで帰宅したのでした。
この日の恭子に怪しい様子はまったくありませんでした。
続く
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