寝室に場所を移し、念願のそれは始まりました。
鏡台の椅子に腰掛けた田中君の前で、事前の打ち合わせ通り、妻と私は立ったまま向かい合いました。
常夜灯の明かりのみの薄暗い室内で、髪を解き俯いたままの妻を見つめながら、これから始まる行為を想像し、私の心臓は大げさでなく爆発しそうなほど激しい鼓動を繰り返します。
小刻みに震える妻の肩に、同じように震える私の手を伸ばし抱き寄せました。
まだ湿った妻の髪から立ち昇るシャンプーの香りが鼻孔をくすぐります。妻の頬を両手で包み、唇を重ねました。結婚式以外では、人前でのキスも始めての経験でした。田中君の呼吸が荒くなるのが聞こえました。その音にいっそう興奮を掻き立てられ、見せ付けるように舌を絡めあう激しく濃厚なキスを続けました。
「はあ」
さすがに苦しくなったのか、妻が唇を離し、深く息を吐き出しました。
次の瞬間、私は妻の上着をたくし上げ、一気に剥ぎ取りました。黒いハーフカップのブラジャーのみになった上半身を隠すように、両手を胸の前で交差させ身を捩る妻。間をおかずスカートのホックを外し足元までひき下ろしました。下着のみになった妻は恥ずかしそうに両腿を擦り合わせるようにして露になった下半身を隠そうとします。田中君が食い入るように身を乗り出しているのを横目にしながら、私もシャツとズボンを脱ぎ捨て下着のみの姿になりました。
再び妻を抱き寄せ、露になったお互いの肌を密着させながらキスをしました。背中に回した右手でブラのホックを外し、屈みこみながらパンティーに手を掛けました。
「いや、だめっ」
妻は股間を隠すように抵抗しましたが、その手を払い退け一気に引き下げました。妻が裸身を隠すようにしゃがみ込んだので、ブラはホックだけが外れたまま肩からぶら下がり、パンティーは足首に留まったままでした。
その間に私は全裸になり、無言のまま妻を抱き起こすと、尚も抵抗する彼女から無理やり残った下着を剥ぎ取りました。
「恥ずかしい」
俯く彼女をベッドに押し倒し、私の体を重ねます。
田中君が椅子から立ち上がり、無言でベッドに近づいてきました。彼の視線を感じたのか、妻は両手で顔を覆い隠していました。私は妻の白く豊満な胸に唇を這わせました。
「ああっ」
ついに妻が人前で声を漏らしました。
尚も舌で乳首を転がすと、私の舌を押し返すほどに固く隆起しているのがわかりました。私がまるで赤ん坊のように夢中で吸い続けると、さらに固さを増していきます。
「あ、ああんっ」
顔を覆っていた両手は私の後頭部を抱え、背中を反らせながら、妻の口からは甘い吐息が漏れだしました。
私は右手を妻の両腿の間に滑り込ませました。それに反応した妻がいつものように両足を開きかけたその時、ベッドの足元の方に気配を感じました。
「ああ」
不意に耳にしたのは、興奮のあまり無意識に発したのであろう田中君の声です。
その声は妻の耳にも届いたようで、その瞬間彼女は開きかけた足を閉じました。
思わず目を向けた視線の先には、膝をついて妻の下腹部を覗き込む田中君がいました。
私と目があった彼は、興奮した表情のまま、
「すいません」
と消え入りそうな声で、俯きました。
私は、改めて他人に見られながら妻とセックスをしていることを思い出しました。
「由美、田中君が見てくれてるよ」
そう言って、両足で妻の右足を挟み込み、右手で妻の左膝の内側を押さえて強引に妻の両足を開かせました。
「いや、あなた、やめて」
妻は、恥ずかしさのあまり、必死に足を閉じようとしましたが、邪な欲望に支配された私の力はよほど強かったとみえて、抵抗もむなしく彼女の股間が田中君の眼前に晒されました。
「ああー、恥ずかしい」
妻は再び両手で顔を覆っています。
「どうだい、田中君、由美のあそこは」
私は、自分のお宝を自慢するような気分で、彼に声をかけました。
「すごい、綺麗で、すごいです」
両目を皿のように見開き興奮を隠そうともしない彼に、私は勝ち誇った表情で続けました。
「もっとすごいもの見せてあげるよ」
かつてないほど膨れ上がった愚息にゴムを被せると、彼の視界を私の下半身で塞ぐ様に妻に覆いかぶさり、自らの怒張を妻の秘部に突き刺しました。
「あああっ」
のけぞる妻の姿に、これまで溜め込んでいた興奮を叩きつけ、夢中で腰を振り続けました。
背後からの、妻と私の結合部に注がれる田中君の視線を感じながら、これまで味わったことのない刺激で、一気に高まりました。
「ああ、由美、いくよ」
「ああ、まだ、まだだめよ」
「だめだ、もう、いく、ああああっ」
他人の前であることを忘れた私は、恥ずかしいほどの絶叫を上げながら、妻の中に欲望をほとばしらせたのでした。
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