一気に呼吸が苦しくなります。
しかし着信番号を見ると、なんと会社の電話番号。
今にして思えば着信を保留するなりしてしまえば良かったのでしょうが、私は根が真面目な上にこの時は焦っていました。
思わず通話ボタンを押してしまったのです。
内容は仕事上の確認の電話でした。
同僚の話に速いテンポの相槌を入れる私。
こうしている間にもトシさんが電話をかけてくるかもしれないと思うと、気が気ではありません。
同僚に不審に思われようがどうでもいいという気持ちで、適当な指示を矢継ぎ早に出して電話を切りました。
深く息を吐き出し、運転席のシートに背を埋めると、再び着信が。
今度は間違いありません。トシさんの番号です。
携帯を床に落とすほど慌てながらも、急いで拾い上げ通話ボタンを押し、無言で耳に当てます。
会話はありません。これは事前の打ち合わせ通りです。
通話状態を確認したトシさんが、携帯をテーブルか何かに置く音だけが聞こえました。
しばしの静寂。
最初に聞こえたのはドアが開いてすぐに閉まる音でした。
段取り通りなら、おそらく妻がシャワーを浴びて出てきたところでしょう。
私は、バスタオルを体に巻きつけた妻がトシさんのもとへ歩み寄っていく姿を妄想し、早くも呼吸が荒くなるのを感じました。
次にベッドがきしむ音が聞こえ、続いて電話機の奥から飛び込んできた声に息を呑みました。
「あんっ」
当り前なのですが、間違いなく妻の声です。
「そんな、いきなり。ああっ。」
「あっ、あっ、ああんっ。」
最初は何をしているのか分かりませんでした、妻の喘ぎ方と、声と一緒に徐々に大きくなってくるグチュグチュという音で状況が思い浮かんできました。
妻はいきなりベッドに押し倒され、いきなり陰部への愛撫を受けているのでしょう。
妻は元々濡れやすい方でしたし、愛液の量も多い方だとは思っていましたが、それでも携帯を通して聞こえてくる音の大きさに少し驚きました。
蜜の音は最早グッチョ、グッチョと妻が潮を吹く寸前の様子なのが分かります。
「ああああああ、イッちゃうよーーーーーー。」
さすがに潮を吹く瞬間の音までは拾えませんでしたが、妻がトシさんの指で盛大に愛液を巻き散らしたのは想像がつきました。
二人の荒い息遣いが聞こえます。
「すごいよ、ナミさん。」
本日始めて聞くトシさんの声です。
メールで親密になっていたことは知っていましたが、偽名とはいえ妻を名前で呼びかけるのを聞き、私の嫉妬心が大きく煽られます。
「シーツびしょびしょだよ。バスタオル敷かないと。」
「恥ずかしい。言わないで。」
「でも嬉しいよ。こんなに感じてくれて。」
「ああっ。だめ、だめ、だめだったらーー。」
再び愛撫が始まった様子です。
放出したばかりのはずの妻の愛液が、また卑猥な音を立て始めます。
今度はあっという間でした。
「あああああ、またイク。ねぇ、またイッちゃうよーーーー。」
「いいよ、たくさんイッて。」
「だめーーーー。イク、イク、イク。ああああああーーーー。」
既に絶叫に近い喘ぎ声です。
前回、前々回よりも妻の声が激しく、大きいように聞こえるのは携帯を通しているからなのか。
私の興奮もこれまで以上で、公共の場所であることも忘れズボンを下げて、パンパンに張りつめた愚息を取り出してしまいました。
指だけで連続してイかされた妻の乱れた呼吸が聞こえます。
「ナミさん。俺のもいい?」
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