藤井さんがこちらに来らる日の朝
ゆきに夕食にお招きすると伝えて家を出ました。
藤井さんは夕方に着くと言うので直接家に来ていただくよう連絡しました。
定時に仕事は上がれたのですが考えて時間潰しをしました。
6時頃ゆきから藤井さんが来たと連絡があったので
少し遅くなるから相手していて欲しいと連絡し
藤井さんにも謝りの連絡を入れました。
1時間ほど時間を潰して家に帰ったのですが
すぐに家に入らないで裏に回りふたりの様子を見ることにしました。
リビングを覗くとソファーに並んで座りスマホを見ているようでした。
楽しそうに笑っているのでいい感じだと思いながら玄関にわまり
「ただいまー」と大きな声を出して若干時間を置いてリビングに入りました。
ゆきはキッチンから「おかえり」と言い
藤井さんにも「お邪魔してます」とソファーから立ち上がりました。
ゆきの力の入った夕食を食べ長々と話をして盛り上がりました。
藤井さんが「次に来るときはゆきさんにお礼を持ってきますよ」と言うので
「気を使わないでください。それより、今度は泊まりて来てください。車だと飲めないでしょ」と誘いを入れました。
ゆきも「是非」と援護してくれました。
そして「ゆきと連絡先交換しておいて下さいよ。また、今日みたいに迷惑かけるとあれだから」と
公認でライン交換をさせました。
藤井さんが「来週また来るのでそのときに」と言って帰っていきました。
いつもはそんなペースではこちらに来ることはないのと
ゆきが楽しそうな感じなのでうまく行くような気がしました。
次の週の金曜日の夕方
「すごいのいただいたよ」とゆきから立派な包丁セットの写真次のラインが来ました。
「今夜も少し遅くなるから先にお酒出してサービスしておいて」と返してまた時間潰しをしました。
その日も家に帰ると裏庭に回り中を覗いたのですがカーテンが閉められていて良い位置がとれませんでした。
それでもふたりがソファーに座ってお酒を飲みながら楽しそうに話をしているのがどうにか見えました。
玄関に回りリビングに入るとゆきが立派な包丁セットを見せて来ました。
藤井さんに丁寧にお礼を言って食事をしました。
食事の後リビングに移りお酒を飲み始めるとゆきも藤井さんにすすめられるがままにいつもより多く飲んだいるようでした。
途中藤井さんにお風呂に入ってもらい
その時にゆきが藤井さんの事をとても気にいっているような話を聞きました。
藤井さんに代わりわたしが風呂に入ったのですが
またふたりの様子が見たくてさっとシャワーを浴びると素早く体を拭いてリビングをそっと覗きました。
ふたりは並んで座り藤井さんはゆきの肩を揉んでいました。
いい感じだと思い風呂場でもう少し時間を潰して
「あがったよー」と先に声をかけました。
ゆきが風呂に行くと藤井さんとお酒を飲み出したのですが
藤井さんはゆきについて何も話さないのでかえって気にしているのだとかってな解釈をしました。
遅くなり、そろそろ寝ようと言うことになりゆきが藤井さんを客間に案内して行き
わたしは寝室に行きベッドにもぐりました。
片付けを終えてベッドに入ってきたゆきがスマホを触っているのがわかったのでただただ寝たフリをつづけました。
ゆきに背中をむけて軽くいびきをかいていると
軽く肩を揺すられました。
「きた!」と思い心臓が高鳴りながら規則的にいびきをかいていると
ゆきがそっと部屋を出て行きました。
あまりに計画通りなのに驚きながら自分で10分後と決めベッドから出ました。
階段の踊り場まで降り様子を伺うとふたりの声が微かに聞こえました。
一歩づつ慎重階段を降りすぐ横の客間のドアの前にしゃがみ聞き耳を立てました。
はっきりとは聞こえがなったのですが
「大丈夫です」
「そこは痛いです」
「いい感じです」
「くすぐったいです」
「少し痛いかも」
「そうなんです、夏でも冷えていて」などのゆきの声が聞き取れました。
マッサージをされているのだと思います。
20分近く聞いていたのですが
それ以上のことはなさそうな雰囲気だったので一旦部屋に戻りました。
ドキドキしながらベッドに横になっているといつの間にか寝てしまい
はっと目を覚ますとゆきは横で寝息を立てていました。明くる日、朝ごはんを食べると藤井さんは帰っていきました。
ゆきが「また泊まりに来て下さいね。大歓迎です」と言って見送ったのでしめしめと思いました。
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