周りをぶらついて24時間営業のファストフード店に入って暇潰し、朝8時ごろに帰宅をした。
まるで何事も無かったかのように親父と妻は話していた。俺も何も見てない風に装ってしまった。午前中、朝食を終えて妹の元へと娘をお迎えに行った。その日は地元の海水浴場へ親戚も含めて遊びに行った。
「なぁ親父、あんだけ酔っ払って調子悪いんなら海来なくても良かったんだぞ?」
「なに言ってんだ。もう一晩寝たらスッキリや。平気や平気。」
「…若い彼女と飲んでて悪酔いしたのか。サツキが少しだけ介抱してあげてたみたいじゃないか。」
「ああ。助かったで。おかげで気分スッキリしとる。いい嫁さんや。でもお前が言う女は別に彼女やないで。京子はただの遊び仲間や。」
そう言って親父がスマートフォンの画面を見せてきた。親父の隣で酒が入ってるのか赤い顔をして、ピースサインをしている女がいた。露出度の高い胸元がざっくり空いたヨレヨレのTシャツを着ている。
「ええ女やろ。京子って言うねん。今年44やって。バツイチなんだと。中々若く見えるやろ?」
そう言ってスポーツウェアを着ている女の写真を、画面をスワイプして見せてくる。確かに年齢よりは若く見える。
画面を横にスワイプしていく内に親父とその女のイチャついた写真も見てしまった。
「もういいよ。わかったから。相変わらず女遊びやめてねえんだな。」
「やめんよ俺は。ええ女いたら抱きたいと思うのが男やん。アタックせな損やん。」
カメラロールを横にスワイプしていく中で、親父は触りどころが悪かったのか写真一覧のサムネイル画面を開いてしまったようだ。俺も写真一覧の画面が目に入った。
「おい、親父。なんだよこの写真。」
私は思わず荒い口調で親父に声をかける。そのままスマートフォンを私は取り画面を見た。写っていたのは妻が下着姿で恥ずかしそうに立っている写真だった。別の写真ではサラシを巻いて股引姿。腰に半纏を巻いて立っている妻の写真、京子と呼ばれていた女も下着姿で、下着姿の妻と隣同士で並んでいる写真が保存されていた。
「ああ。これ…昨日の写真やな。」
別に動揺する様子もなく俺に軽く親父は言う。いやおかしいだろ。俺は親父に今日の朝方、妻と抱き合ってキスしてたのを見たことを話した。
親父は他の親戚も近くにいるので、私に目配せして駐車場の方へと私を案内した。
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