次の日仕事中は冷静を装った。
幸い火災もなくタクシー代わりの救急数件という平穏な勤務だった。
その勤務の深夜仮眠中の部屋にノックが。
『たかしさんちょっと良いですか?』
『どこか応援出動か?』
『イヤ、、ちょっと裏まで来てもらえませんか?』
何事かと思い庁舎裏まで行くと誰か一人立っている。
『どちら様でしょうか?』
話しかけると後輩が私に何か手渡してきた。
『何コレ?』
『中身は自分も見ていません。自分夜中のランニングで庁舎周りを走っていたらその人が来て、郵便受けに入れようとしていました。
そのまま近づいて、受け取りますよって声かけたらこの封筒落として逃げたんで、何かあると思って追いかけて捕まえたんです。
捕まえた後封筒見たらたかしさん宛の親展だったので、こんな夜中に郵便以外で親展の文書届けるのっておかしいかなって。もし知り合いだったらすみません。』
『いや、失礼ですが初対面ですよね?私本日の当務責任者のたかしと言います。貴方は?』
『、、、Hと言います。この度は本当に申し訳ございませんでした。』
いきなり真夜中に、しかも勤務中に土下座されてもどうしようもない。
その時個人の携帯が震えた。妻からだった。
『もしもしたかし。私の方は全部終わらせたから。明日は勤務明けで直ぐに帰ってきて欲しい。私の仕事のことは大丈夫だから。
それともし、たかしのところに挙動不審な知らない男が訪ねてきたら、昔を思い出してフルボッコにしても良いから。』
『ちょちょっとだけ電話切らないで待っててくれる?』
『ねぇ君まだ若そうに見えるけどいくつ?』
『、、、25っす』
『妻ちゃん?25のH君ってのがフルボッコしても良い相手?』
『そう』
『いやいやぁ、俺勤務中だから無理。ってか家族守るためにも手は上げれない』
『わかった。後でどう思っても昇華出来るんならそのまま放流してあげて』
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