その時の男性の後ろ姿からは中年の小太りという印象でした。
嫁の後を追う男性の様子も少し変な追い方をしていました。
河川敷に間隔を開けて植えている桜の木に隠れるかの様に少ししては
木の陰に入り、嫁の様子を伺いながら同じ行動を繰り返しながら
後を着けていました。私は、少し距離を取った後に河川敷上の歩道まで
上がり二人の後を追いました。歩道の奥を歩き、どうにか二人の様子が
上から覗き込める位置をキープしながらひたすら後を追いました。
男性が木の陰に隠れていたタイミングで嫁が振り向き後ろを確認していました。
少し足を速めた様でした。河川敷から歩道に上がる階段まで来ました。そのまま
歩道まで上がると私は思っていました。階段の上り口には、河川敷に設置された
トイレがありました。そのトイレの陰から階段に姿が表れると思っていた私です。
しかし、嫁の姿が現れませんでした。私は、男性を追い抜き早足で歩道を歩きました。
そして、ようやく階段のある場所までたどりつきましたが嫁の姿は見当たりませんでした。
もしかして、トイレに入ったか身を隠したのか?私は階段を下りてトイレに向かおうと
したところに、木の陰に隠れながら後を追いかけてきた男性の姿が見えました。
なぜだか慌てて歩道の奥に引っ込みました。恐る恐る歩道から下の河川敷が見える位置まで
身を乗り出しました。調度、男性がトイレ横に植えてある木の側まで来ていました。
男性はトイレを通り過ぎ階段を上がって来る事無く植えてある桜の木を1本過ぎそして
2本目まで行ったところで足を止めました。男性の後ろに回った事で私も少し身を乗り出し
様子を確認していたので、安心してしまった瞬間の男性の行動にドッキとし慌てました。
出て来たら男性と遭遇するぞ。叶いもしない念を嫁に送ってしまう始末の私でした。
男性が戻って来ました。どうして、あのまま階段を上がって歩道に来なかったのか?嫁の行動に
私が残念な気持ちになるだけでした。予想は瞬時に付いていました。
このまま男性がトイレの中に入れば何かに気付く事は間違いありませんでした。
それでも、男子が階段を上がって来る事を少しは期待もする私でした。
しかし結果は、階段を上がって来ることは有りませんでした。
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