(続き)
冷静になった幸じいは真っ青になった
頭を畳にこすりつけて謝る
「大変な間違いをしちまったよ」「俺りゃ、紀子ちゃんになんてことを…」「祐二に申し訳ねえ…」
泣きそうになって謝る幸じいの頭を抱きしめて嫁が子供でもあやすように声をかける
「幸じいは悪くないよ。私が幸じいのお布団に入ったんだもん」「それより幸じいが私に夢中になってくれて嬉しいよ」「後は祐ちゃんと私の夫婦の問題。幸じいは関係ないから」
嫁はキッパリと幸じいに言うと僕の方を向いた
「祐ちゃん、私、汗でベタベタで気持ち悪いからお風呂入りたい。付き合って」
それだけ言うと裸のまま、さっさと歩いていく
僕も慌てて後を追った
幸じいのところのお風呂場は民宿仕様でかなり大きく、自治体と契約して温泉も引いてある
嫁はシャワーで軽く身体を流すとザブンと湯船に入り
「幸じいに身体の隅々まで舐められちゃった。私の身体、そんなに美味しいのかな」
冗談めかして嫁は言ったけど、僕があまり笑ってないのに気づいて真剣な顔になった
「祐ちゃんゴメン、勝手にあんなことして」
まともに謝られて僕は少し慌てる
「あ、いや…確かに幸じいかわいそうだったけどさ、だからと言って」
僕があたふた答えると嫁が湯船の中で身体を寄せてくる
「うん、勝手だった。でも幸じいをどうしても放っておけなくて…」
「やっぱりそうか…でも…」
「あとさ、私らの問題ね。私らそりなりに楽しくエッチしてるけどさ。ちょっと夫婦って関係に安心しちゃってエッチも落ち着いてきてない?」
「そうかな」
僕は今でも嫁に魅力しか感じてないんだが
「これから妊活とか言って、どんどん義務みたいになってくの私イヤだよ」
「そんなのそれなりの年齢になって倦怠期になってから考えても…」
僕の言葉に嫁は首を振る
「そうなりたくないから、若いうちに色々刺激的なことを試したいじゃない」
「それで幸じいかよ」
「うん、幸じいなら信用出来るよ。ネットで知り合う人たちなんかより」
僕が嫁のその言葉を考えていると、嫁の声の調子が変わった
「そんなに深刻ぶって考えること?祐ちゃんが私と幸じいのエッチ見てすごく興奮してたの私知ってるよ」
ガンと殴られた気がした
嫁はやっぱり見抜いている
僕が寝取られの毒の虜になってることを
嫁はちゃんと見てたんだ
「今、祐ちゃん、私とすごくすごくしたいでしょ?」
嫁が勝ち誇ったように薄く笑った
「私もだよ、祐ちゃんとメチャメチャしたい!ほら、これが刺激的なことだよ。夫婦にとっていいことだよ」
僕が何を答えても、さっきからずっと勃起してるチンポが説得力を失わせる
どうやら僕の負けなんだ、ずっとわかってたけど
僕が嫁にかなうわけがない
勝ったと思ったのか嫁が僕の首に腕を回してゆっくりキスをしてきた
舌を絡ませてくる
嫁の唾液の甘さに僕は芯から痺れた
この甘い毒に幸じいもやられたんだろう
この世は全て嫁の思い通りに動く
そんな気さえしてきた
(続く)
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