俺はもちろん断ったが、このまま帰ることは許されない。いつの間にか部屋には部下とおぼしき中年の男が2人もいた。
そのうちの一人がいう。
「ここまで常務が言ってくださってるんだ。しかもここまで話を聞いて断れると思っているのか槌」
私は何か大きな権力に脅されている気持ちになり怖くなった。
今まで知らない大人の事情というものが渦巻いていた。
そしてその場は泣く泣く提案を受け入れるしかなかったのだ。
かすみは大人だった。30歳からは幸せな結婚生活があるのだからいいじゃない?という考えだった。
私は若すぎて受け入れられなかった。しかし、当時のご時世では会社を飛び出す勇気を持つ者は少なく、私はお金とひきかえに話を受け入れた。
翌日いきなり50万円が振り込まれていた。私はもう後に引けなくなった。
それからというもの、毎週ヒルトンホテルのスイートでかすみと交わった。常務はプライベートで会う時は意外に良い人で、とても喜んでくれ私とかすみのセックスを褒めてくれた。そして私との行為が終わるとかすみを抱き、あっという間に果てるのだった。
私もそんな常務の前でやることがそのうち苦痛ではなくなり、しかも常務のことを尊敬し、いい人だと思うようになっていった。
人としての魅力があるとはこのことかもしれない。
私は褒められて嬉しく、常務に認められたいと思うようになった。
そんな常務に尽くしているかすみも可愛いと思えた。
程なくして私は本社の総務部勤務になり、まずは常務の運転手をすることになった。
給料以外に50万円の手当てを毎月振り込んでくれた。
若者には余りあるお金を得て私も上機嫌だった。
そして年月が経って私とかすみは常務仲人のもとに結婚した。
常務には並行して他にも愛人がいた。運転手をしているので2人ほどの愛人をホテルに運んだこともある。それはかすみには内緒だった。そして時折その別の愛人とも常務の前でやらせてもらった。
色んな女に愛される常務を男としても尊敬していた。
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