「私は今は常務にお仕えしていて愛人もしてるけど、もちろん常務は奥様もいるし結婚などはあり得ない。私は25歳までは彼氏を作らずに秘書と愛人をやってほしいと言われてるの。もちろんその後は彼氏を作っても結婚しても構わない。その後の仕事は悪いようにはしない、って言われてるの。」
25歳というとあと半年余りか…
俺は落胆した。
しかも、常務はお金もある、そして大人だ。沢山の贅沢をかすみにさせ、美味しいものを二人で食べ、私があげることのできない高価な服やアクセサリーを買い与え、夜の相手だってノーマルなセックスではなく、AVで見るようなあんなことやこんなことまでされて開発されまくってるのか…
そう思うと若い私は嫉妬で狂いそうだった。
「もし太郎ちゃんが25まで待ってくれるなら付き合いたい」
「それは嬉しいけど、正直言うと常務と比べられても、なんだか嫌だな」
「そんなんじゃないわ」
かすみはそう言うが私は常務に抱かれてエロい声を出しているかすみを想像したりするととても嫌な気持ちだった。
それに常務からかすみを奪うのならともかく、常務との約束が優先でそれを過ぎたら付き合ってよい、なんて、私だって男のプライドだってある。
「今すぐ付き合ってくれるならいいけど、常務との約束が終わった後とかなんか嫌だ。俺だって一人の男だしな」
私はそう言った。
かすみは泣きながら車を降り、走って帰っていった。
それからはかすみからの連絡はなく、俺もなんとなく連絡しにくくなった。
私は本社にいる偉い常務のことを憎むようになった。色々と先輩社員にそれとなく聞いてみた。
どうやら常務は若い頃から出世が早く、次々と若い社員を愛人にしては数年で乗り換えているという。
どの愛人もその後ちゃんと結婚して家庭を持っている。薄々感づいている社員も多いが誰も権力者には逆らえず、当の愛人も仕事もちゃんとこなしていたというのだ。
お金と地位だけでなく、出世するだけあって、人間も出来てるんだろうな~。
私はとても悔しかった。敗北感でいっぱいだった。そしてやはり高卒の私には合わないなと感じ、泣く泣く身を引こうと決心したのだ。
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