今日は珍しく昼前に真由美から電話があった。
『お昼まだでしょ?
一緒に行こう。』
無いことだ。
真由美がN坂さんの事務所に雇われてからは休みの日くらいしか真由美とランチなんて記憶がない。
しかも、せっかくの休みでも夫婦の邪魔をするかのようにN坂さんから電話がかかってきてショッピングやドライブがてらのデートに誘われたりすることが再再ある。
『◯◯が無くなったから真由美に選んでもらおうと思って・・・』
とか、真由美を自分好みの"愛妾"にしてる反面、N坂さんも真由美が選ぶ服装とかを着ているのだ。
何かと理由をつけて真由美に会おうとする。
真由美も
『また?・・・この前に買ったじゃん。・・・困ったねぇ~』と言いながらよほどの用事が無い限り拒まない。
N坂さんも、
『この前、買ったのがどこに置いたか解らなくなったんだよ・・・』
と、なんとか真由美を呼び出そうとする。
『仕方ないから行って来るね・・・』
結局、そう言って私よりもN坂さんを優先する真由美に苛立つものの、これも『寝取られ』と思って
『うん。解った・・・』
としか私は応えない。
そうでなくても、月に二回は日曜日も真由美を貸し出しているからホント、真由美とランチなんて久しぶりだった。
N坂さんも真由美も、あのSLAVE首輪で私が嫌みを言ったのが気になっていたのだと思います。
N坂さんも、遠慮して真由美に電話させたのだろう・・・。『N坂さんも一緒?』
って聞いたら
『ううん。・・・一緒じゃないよ。
あなたと二人だけ・・・久しぶりに◯◯◯のジャンボハンバーグ食べに行かない?』
と応えるので、
『いいよう(OKじゃなくてNOの意味)・・・明日、病院だから検査にひっかからないように今日はコンビニでサンドイッチでも買うから・・・』
と応えた。
私は月一で診察と検査、薬とインシュリンを処方してもらう為に病院へ行っている。
それがだいたい担当医の都合で金曜日になるのだ。
だから、真由美がN坂さんの"性処理用慰安婦奴隷妻"になる第二第四の金曜日のときは独りで行かなければいけないのだが、今回は第三週なのでもしかしたら真由美が付き添ってくれるのではないかと少し期待していました。
しかし、期待しながらも真由美には明日が病院に行く日だと言ってなかったんです。
私のひねくれた意地です。
以前も真由美に病院の日を告げずに何度か独りで行ったことがあります。
『なんで病院だって言ってくれなかったの?
休み貰ったのに・・・』
と後で帰ってから真由美は言ましたが、私は
『オレの病院でお二人さんの邪魔しちゃ悪いからね。・・・まだ車椅子を車に積むくらい独りでできるから・・・』
とひねくれた最低の返事を返すんです。
私が使用してる車椅子は電動でバッテリーをセットして重量が35㎏程あります。
それを福祉車両じゃなく、私の普通の軽バンに積むのですが、これがなかなかキツいんです。
力が無くなったからもありますが、右足だけ義足を付け、左足をサイドのステップに引っ掛けて積むのですがたまに滑ったり踏み外して転けることもあります。
ですから真由美が一緒に行ってくれるなら車椅子の積み降ろしだけでもすごく助かるのですが、変なひねくれた意地を張って真由美には病院の日を知らせないんです。
最近は真由美が
『病院、今度いつ?』
って聞くのですが今回は聞かなかったので私も意地になって言わなかったのです。
『えっ?
病院明日かぁ・・・じゃあ、うどんくらいならいいでしょ?もう、そっちに迎かってるから待ってて・・・』
と言いました。
確かに真由美とランチできれば嬉しい。
例え、うどんでも、その間はN坂さんから真由美を取り返せるのですから。
『うん。
なら、準備しとくよ!』
と言いましたが、真由美が
『明日、休み貰って一緒に病院に行くからね。』
と言ってくれなかったのがやはり残念でした。
まったく、情けないですね。
真由美の某ハイブリッドカーが家の前に着き、車を降りて私の軽バンに近づいて来ます。
服装こそ、事務員のように黒のリクルートスーツですが、スカートはわざわざ加工したタイトミニです。
ケバい厚化粧に明るい栗色の巻き髪をした水商売のママのような女がピンヒールを鳴らしてこちらへ歩いて来るのです。
真由美のハイブリッドカーでは車椅子が積めないので私は先に車椅子を積んで軽バンの助手席に座って待っていました。
これがもし、N坂さんが一緒ならN坂さんのアウディの助手席に真由美は"愛妾"のように載っているのです。
その姿だけでも嫉妬してしまいます。
真由美に運転するように指示して真由美が運転席に座りました。
シートベルトをしながら、
『◯◯(うどん屋)でいい?』と言うので
『うん。』
とだけ応えて車は走り出しました。
私は真由美の姿に我慢できず、
『奥さん・・・今日もエロいでんなぁ~』
と変な関西弁を喋り、タイトミニを刷り上げるように真由美の太股を撫でます。
ストッキングは細かい網目の黒いメッシュストッキングで、勿論、ガーターです。
『エロいの着けてまんなぁ~奥さん・・・』
『もう・・・危ないからやめてよ・・・』
『エエ?Σ(Д゚;/)/・・・N坂さんには触られ放題!・・・触られたら嬉しいのに、ワシに触られるのはイヤか?』
『違う・・・バカ・・・運転してるときは危ないじゃん!』
こんなやり取りをしました。
しかし、そんな夫婦の楽しい時間も一時間もしないで終わりです。
また真由美はN坂さんの待つ事務所に戻って行きました。
『もうこんなこと止めよう・・・事務所も、N坂さんに会うのも止めろ!・・・』
そんな気持ちはありますが、それを口にできず、私は真由美を黙って見送るしかないのです。
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