それからしばらく真由美の身体を抱きしめていました。
それでも時間にすればほんの数分だったと思います。
ですが、私と真由美は確かに夫婦の甘い時間を共有していた数分でした。
ほんの数分でも穏やかにゆっくりと流れる『愛』の時間でした。
性欲を満たす為に『寝取られ』という乱れた日々を送る夫婦であっても、こうして夫婦だけの愛の時間がほんの数分でも流れているのです。
これがもし、真由美が私に内緒で不倫して帰って来たのなら、ろくに言葉さえ交わさずにさっさと風呂場に消えて、またさっさと寝室に入り、背を向けて頭から布団を被り、寝てしまうだろうと思います。
私から求めても、
『やめて!』『明日も早いから!』『疲れてるから!』
と拒否される。
約6年前に子宮を摘出した真由美の場合は、
『今、生理だからダメ・・・』
はないけれど、騙し合いの偽りの夫婦ならば、酷い場合は、
『あんた勃起ない役立たずじゃん!』
なんて詰られたらマジに激怒しますよね。
それで暴力でも振るえば真由美はこれ幸いと不倫相手の所に行ってしまい、後日、真由美の署名捺印された離婚届けの用紙と慰謝料の請求用紙が送られて来るのだろう・・・。
ヾ(;゚;Д;゚;)ノ=зあわわわわ・・・
なんて事になるかも・・・
寝取られる事が夫婦の愛を深めることもあるのでしょうね。
真由美が充分にこんな役立たずの私を理解してくれているから私は棄てられずにいるのでしょうし、相手が還暦過ぎのハゲメタボ爺ぃでもあるからイマイチ真由美が本気で惚れてないってのもあるかも知れません。
もし、選んだ相手が真由美と同年代くらいで真由美の好みのタイプ(好きなアーティストはB'zの稲葉らしい)で真由美を養えるそれなりの経済力があり、精力的で尚且つ『play』として割りきれずに次第に真由美を自分だけの牝(おんな)にしたがるような男だったなら私はとっくに棄てられていたでしょう。
過去、前妻もそうだったし、SM関係なしの普通のセックスでしたが、真由美を単独さんに与えたときに私の居ないところで、
『今度、旦那さんに内緒で会おうよ・・・連絡先交換しよ!』
とか、
『どう?・・・気持ちいいだろ?
あんな障害者の旦那さんなら満足できないだろ?
ヤリたくなったらいつでも連絡して来なよ!』
みたいなことを言われたと真由美は隠さずに言いました。
勃起ない私のような旦那を持つ熟れ盛りの真由美は性欲の塊のようなヤリたくて仕方ない男たちからすれば絶好のターゲットですし、寝取られの危ない部分ですね。
幸い、真由美は私を裏切ることはなく、私に正直に話して性に飢えた男たちから難を逃れました・・・。
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