第6部 ~密室~
当然、彼女には疑問が残る。
いつβくんがここに来たのか…。
それを彼は解説した。
そもそも、意図して壊れたローターを
用意していたこと。
そして買い物と理由を付け、待ち合わせたアダルトショップでβが車に乗り込んだこと。
コンビニで飲料を買う間、そのまま見守ってて貰ったこと。
ホテルに着いたら一緒に部屋に入ったこと。
「だって、居なかったよ?」
の一言で、アイマスクの隙間から覗いたことがバレた。
「あれ?ご褒美要らなかったの?」
素肌をシーツでくるんだまま、彼とβに挟まれてベッドに座る彼女の答えは当然…、
「いる…」
「正直に答えて、お利口さんだね」
βくんの前でも素直な彼女に、彼は話しを続ける。
「部屋に入ってお風呂汲んでる間、念のためβくんには、ベッドの陰に隠れてて貰ったんだよ。そこ。んで、電話来たのは、3人分の料金頂きますよ?って電話だった」
納得…。
「って言うか、3人入ったって気付かれてる時点で、そん時の格好…ホテルの人に見られてるよね…汗」
3人で再度、ルールを確認した後、彼は問い掛ける。
「もう少し、話ししてから始める?どうする?」
彼女は自分なりに、遠くない将来この時が来ることを想定し、心の準備を整えつつ、幾ばくかの期待してさえしていた。
その答えは…
「…とりあえず、お風呂…」
彼女が先に立ち上がる。
「一緒に入ったら?」
と彼が冗談混じりに言うと、彼女は
「いいよ…じゃあ先に入ってるから」
2人の男に裸の背を向け、浴室に消えていった。
堂々とした彼女の態度が、逆に彼を驚かせた。
しかし彼女は彼女で、内心ではドキドキ…。
浴室のドアが閉まるや否や、
「マジで良いんですか?」
βくんは、彼に問う。それに対し、
「βくんさえ良ければ、どうぞ」
と、にこやかな笑顔で返す。
そこには…色々2人だけで話しをするのもいいだろうし、それで2人に仲良くなって欲しい、という彼の思いがあった。
βは彼の顔色を窺いながら立ち上がり、恐縮した面持ちで脱衣所に向かった。
バスルームの磨りガラスのドアに人影が映る。
来た…。
彼女は少し緊張した顔で、ドアが開くのを見ていた。
「お邪魔します…」
「どうぞ…」
「何だか緊張しますね」
「私も…。こういうのやったことあるの?」
「無いです。あるんですか?」
「私も無い…。良かったら、こっち入ったら?」
当たり障りのない会話を交わしつつ、空けてくれたスペースに向かい合う形でβくんは湯船に浸かった。
「いつもあんな風に露出やってるんですか?」
あぁ、駐車場で見られてたんだった…。
「うん、たまに…」
「凄いですねぇ」
「そんなことないよ…」
「あの…今…して見せて貰えませんか?」
一気に顔が火照る。
勇気や恥ずかしさより、もうどうにでもなれ!…という投げ槍な感情と、彼の嫉妬心を煽りたいS的な部分が、彼女を浴槽の淵に座らせた。
無言で脚を開き、右手が動き出す。
お湯に浸かっていたからか、彼女の中から滲み出す体液なのか…クチュクチュという音が響く。
声が漏れる。
「もっと拡げて見せてください…」
その声で催眠術を掛けられたかのように、より脚を拡げ、左手で内腿を押し拡げた。
視線の先では、彼女の指が触れている露出したピンクの豆が、膣のヒクつきに合わせて上下に鼓動している。
そして、彼のいる場所だけではなく、何部屋も隣まで聞こえそうなほどの喘ぎ声がバスルームに響き渡った。
それに興奮したβの欲求は、さらにエスカレートする。
「触っても良いですか?」
火の点いた身体に断る理由などない。
βは膣の奥深くまで、ゆっくりと中指を挿入した。子宮の入り口がその先に触れる。
すると膣壁の柔らかい襞が関節を締め付けた。
ゆっくりと抜き挿しを繰り返したその感触にβは、一層奮起した。
βの指が次第に加速していく。
程なくして、彼女はバスタブやβの腕に大量の体液を撒き散らしながら、それまで以上の喘ぎと共に果てた。
「イッちゃった…」
「気持ち良かったですか?…良かったです…俺も興奮しちゃいました…」
βは自分の勃起した性器を見下ろした。
「おっきくなっちゃったね」
彼女は、驚いたようで、はにかむようで、微笑むような、おどけた顔をして魅せる。
「はい……あのぉ……良かったら…舐めてもらいたいんですけど…ダメですか?」
「え?あ……ダメじゃないよ…じゃ場所交代!」
「いいんすか?」
「やめる?」
「お願いします…」
出逢って数十分もしないうちに、彼女に翻弄されるβ…。
「あ、彼に訊かれても、何してたのかは絶対言わないでね」
「言いません」
あんな大きな声を出していたのに、彼が気付かない筈はないのに…そう思いつつ、微笑む彼女に従うことにした。
彼女はβの股間に顔を埋める。
ジュポジュポ…と音を発てて吸い付くが、小柄な彼女の口では、全てが収まり切るまでには至らない。
「ほっひぃ~へ(おっきいね)?」
「そんなことないっす」
髪止めで纏めた頭がゆっくりと前後し、絡み付く舌の感覚にさらに大きくなる。
さっきのお返し…と言わんばかりにその動きは次第に早くなる。
「ひほひぃ~ひ(気持ちいい)?」
「はい!すっごく…」
時折、嘔吐きながらも、喉奥まで、根元まで咥え尽くした。
その何とも言えない感触に、最大級に奮起した。
逝きそうになってきたβは、思わず彼女の頭を両手で抱えた。
咳き込む彼女。
「ごめんなさい…」
急いで手を放す。
「気持ち良かった?…続きは後でね…」
少し涙目の彼女の瞬きは、βにはウインクしたように思えた。
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