男性は嫁を抱き寄せ、耳元で何かを囁いたようでした。嫁は身体をぴくんと震わせ、小さくですがこくりと頷いたように見えました。
男性が再び上になり、嫁の手首をがっちりと押さえ付けながらのピストンを開始しました。ただし、明らかに今までとは雰囲気が違う。男性は愛撫することなく、唸りながら嫁を激しく犯します。先程までの、恋人が愛を語るようなセックスではなく、まるで目の前の女に自分の遺伝子を植え付け、孕ませることを目的としたような、自己中心的で乱暴なセックス。嫁はそれに応えるように喘ぎ、脚を絡み付かせ、ぎゅっと相手を抱き締めます。男と女が生で絡み合い、遺伝子を混ぜあう、生殖行動としての本物のセックス。妻がそれを受け入れてしまったという事実が、私がこの男性に雄としてどうしようもなく劣っている事実を伝えてきました。
そして、ついに。
男性が大きく喘ぎ、妻も声にならない悲鳴で喘ぎつつ、ついに言ってしまいます。「中に、中にちょうだい!」と、大声で。私の存在が消え去り、目の前の雄に種付けされることだけしか考えていない、一人の雌がそこにいました。
男性はそれに応えるように、何度か大きくペニスを出し入れし…それ、を開始しました。
二人の動きがぴたりと止まり、男性の絞り出すような声と共に、男性の臀部が何度も収縮しています。妻はぴくぴくと痙攣しつつ、腕はしっかりと男性に回しています。それは今まさに男性が優秀な雄としての遺伝子を抱えた精子が数億匹泳いでいるだろう、優秀で危険な精液を送り込んでいる様子であり、妻がそれを子宮で受け止めている、それは男女の生殖行為そのものでした。二人は荒い息が整う間結合し続け、キスし、熱い視線を投げ掛けあい、数分間離れることはありませんでした。
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