田舎の漁村で、秋の彼岸の中暦に、何か[政]が行われると云うのは、妻の様子から判った。
妻は私に、凡そ何が行われるか言わなかった。 契床とは、縁が切れたのか? 妻の実家からの電話は無い。
だが、妻が無言で実家に向かうと云う事は、何か訳が有るのだ。 (察して欲しい・)、とは言わ無いし、それどころか、(推測しなさい・)と言わんばかりの、張り詰めた態度だった。
そんな中で・。
「パパぁ~、縁日、お友達と行くから、お小遣い、ちょうだい、。」
「えっ? 、俺も、友達と行こうかな、 ママが行かないなら、、」
下の娘は、友達に誘われて、子ども達だけで縁日に行きたい、と報告してきた。
息子は、母親が一緒に行かれないなら、どうでも良いみたいだ。 私が乗り気で無いのも知っている。
「ぁん? そ、そうか、 それなら、それで、気をつけなさいよ。」
いつの間にか、母親のような口調になっている。
「お小遣いは、?」
「あぁ、朝、あげるから、 今からだと、縁日前に使っちゃうでしょ、。」
「やったー!」
「やった、やった。」
「その代わり、ママには内緒だぞ、 『お小遣い、あげた。』なんて言ったら、余計に怒られちゃう。
「ぅん、解ったよ、。」
彼岸の中暦に、田舎で何が行われるのか、(確かめよう、。)
契床を確かめたのと同じ様に、妻の田舎の漁村で、何が行われるのか、、この目で確かめる気運に、否応なしに盛り上げられてしまった。 その結果、あの時と同じ様に、おめおめと尻尾を巻く事になるのか、? まだ知る善しも無かった。
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