「理恵ちゃん、(凌が)18になるまで、(結婚するのを)待っててくれるかい・?・ ぁははっ。」
凌と言う青年の幼少期、飽きさせる事無く彼の子守りをしている妻を見て、彼の母は常々語り掛けて来た。
「ぼく・理恵ちゃんと結婚する・。」
常は、(理恵姉ちゃん)とか、(お姉たん)とか言っていたのに、母親の前では、「理恵ちゃん」と、タメ口だったらしく、。
「何ですか!(理恵ちゃん)って、(理恵姉さん)でしょ!」
彼が物心ついてからは、いつも母親にたしなめられていた。
「理恵ちゃんが、義娘になったらいいなぁ・。」
真面目に期待していたのかも知れない。
「誰にも貰ってもらえないんだったら、凌ちゃんのお嫁さんになりなさい!」
まるで男っ気が無く、24になる頃には、義母にも言われたらしい。
「凌ちゃんお願いねっ、理恵を貰ってね・。」
「うん、ぼくのお嫁さん。」
「理恵が、迷惑掛けますが、お願いしますね。」
「凌こそ、いつも子守りしてもって助かってます。」
母親同志の間では、彼と妻は〔いいなずけ〕だった。
妻が、彼が物心付いた頃にも、自身の裸や生殖器を見せて昂り、彼もまた喜んで興奮する遊びをしている気配を、お互いの母親は気付いていた。
砂浜や岩場では、わざと際どい水着で、彼に砂を盛らせたり、海藻を巻き付かせたりして遊び、部屋の中では、下着をずらせて、胸を叩けて、裸の上をミニカーで走らせたり、強盗ごっこと称して、手や足を縛らせたりしていたのだから当然でしょう。
近所にも、善からぬ噂が立ち始めていました。
そんな噂も、良家同志の〔いいなずけ〕の噂が掻き消して行きました。
氏長の奥様の車で、各実家に送ってもらう間、二人は〔いいなずけ〕だったのか・。
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