私は、花見の時に一度しか見た事のない男の顔を思い出しいました。
全体的なイメージしかありませんが、小太りの男性。
顔の印象も少し気弱な感じがする中年男性。 私は、微かな記憶で
想像でしかありませんが、もし本当に嫁が、あの男と関係を持って
いたらと思うと、妙に興奮してしまいました。 自分が嫁を抱いて
いるのに、嫁が男に抱かれて感じている錯覚をしていました。
今まで以上に嫁も感じている様にも思えました。 嫁は今何を考えて
いるのか? もしかして、あの男の事を思い出して感じているのか?
確定した訳でも無いのに、嫁を責め立てるように抱いていました。
ようやく私も本気で嫁の行動を観察する気持ちになっていました。
彼氏居ない歴10年で~す。 あの時の嫁の言葉を思い出します。
嫁の行動を観察する日が早くもやってきました。 早速、翌週の週末
また会社の飲み会があるとの事でした。 私は親友に確認しました。
その日は何も情報は無いらしく、それならという事で、彼も一緒に
嫁の行動を追跡してもらう事になりました。 嫁からは、一次会の
店は確認できていました。 友人が、先に店の見える場所で入店する
人物を確認してくれる流れとなっており、嫁が出た後、私も遅れて
友人が待つ現場に向かいました。 友人と合流し、情報報告を受けました。
入店したのは、確かに会社の同僚で、事務系のメンバーだけだったと。
私と友人は、向かいの居酒屋で時間をつぶしました。 2時間程経ったで
しょうか。 もうそろっそろ一次会も終わるのではと考え、居酒屋を出て
嫁の入った店を見張っていました。 見張る事数十分、ぞろぞろと人が
出て来ました。 嫁も中に居ました。 どうするのか? ドキドキしながら
様子を伺っていると、女性人数名と男性陣はそこで解散しました。
嫁も女性人と一緒に歩いて行きました。 カフェショップに入って行きました。
物陰に隠れて私と友人は、自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら
見張りを続けました。 私は勝手に、この後帰ってくれるだろうと思い込み
内心ホッとしていました。 しかし、事態は思った事違う展開になりました。
嫁と女性人がカフェから出て来ました。 すると、そこで解散した嫁だけが
皆とは逆の方向に歩いて行きました。 そして、一人で飲み屋の入ったビルの
エレベーターに乗りました。 急いで、エレベーターの所まで行き止まった階を
確認しました。 友人が、「この店だよ。」と、看板を指さしました。
そこは、あの男の行きつけの店らしい。 彼から嫁に一度連絡を入れる様に
促されました。 「何時ごろ帰る?」簡単な連絡を入れました。 暫くして
「12時までには帰るよ。」 友人からアドバイスがありました。 それは、
友達から呼び出しが有って、私も街まで出る。という、設定でした。
出ている設定は違いますが、事実街まで出て来ています。
それも、嫁の直ぐ近くに居るのです。 設定した通りに嫁に連絡を入れました。
付け加えて、「……、帰り一緒に帰ろうか。」と、投げかけてみました。
既読にはなりましたが、なかなか返事が返って来ませんでした。 嫌な予感が
してきた時でした。 ビルから嫁が出て来ました。 携帯をいらっていました。
私に嫁からの連絡でした。「また、連絡するね。 カラオケで中がうるさいから」
あろう事か、嘘の連絡をしてきました。 すかさず、友人が私の肩を叩きました。
顔を上げて、ビルの方を見ると、嫁の横にはリーダーという男が立って居ました。
嫁の身長は、160。ヒールを履いていたので、もう少しあったと思いますが、
そんな嫁と背丈が同じぐらいの身長でした。 おまけに、その男の恰好はラフと
いうか、上下が黒のジャージを着ていました。 嫁と並んでいてもバランスの
取れない2人でした。 すると、二人は帰宅方向に向かって歩きだしました。
飲み屋街を過ぎ、ひたすら歩いているだけでした。 途中で、コンビニに寄った
2人は、飲みもを買ったのでしょう。 男がレジ袋を持っていました。
日中は、大人や子供がスポーツなどをして賑わっている河川敷の橋まで来ていました。
2人は、河川敷に降りて行きました。 おり切った場所は、自転車道になっており
外灯も点いていました。 二人はそのまま、数本立っている橋げたの一番川沿いに
立っている橋げたの影に姿を消しました。 悪い予感というか
悪い事しか想像が出来ませんでした。
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