花見の時期でした。 友人同士の花見。職場での花見。
二週続けての花見でした。嫁も同じく会社での花見で私と
予定がかぶっていました。 最後の花見の予定日、嫁が花見を
する場所確認と、同じ場所でした。 同じ場所と言っても広いし
時間帯も2時間程違っていました。 私の方が先に出かけました。
花見を開始し数回目の用をたそうと、会場に設置してあったトイレに
行くと、ばったり友人と会いました。その友人とは、嫁が移動となり
勤めている会社。 そう、あの友人でした。 「あれーお前もここで
花見?」「そうそう、ここでね。」すると友人が、自慢げに「今日は、
前に話した事のある事務員も参加してるよ。 なっといっても、現場は
男だけだろ。 ダメ元で、誘ったら参加してくれたよ。 ついでに
付いて来た事務員もいるけどね。」彼もかなり酔っていました。
暫くすると電話がかかってきました。相手は、彼からでした。
「もしもし、どの辺で飲んでる? トイレのとこまで来れる?」私は
仕方なくトイレのある場所までいきました。 彼が待っていました。
そのままの勢いで彼に腕を引っ張られ連れて行かれた先は、嫁も居る
花見の場所でした。 「紹介しまーす。僕の親友の高橋くんでーす。」
いきなり私の紹介をしました。当然、嫁もビックリしていました。
「おいおい、分かったから。 どうもすみません。」なぜだか、私が
謝っていました。 彼の勢いは止まりませんでした。「どうどう?
内の事務員さんでーす。」事情を説明するタイミングもありませんでした。
すると一人の男性が、「もしかして、もしかだけど、ご主人?」
一瞬周りの空気が変わった気がしました。そして、また別の男性が
「本当ーですか? そんなねー」半信半疑な確認をしてきました。
口を開いたのは嫁でした。「はい。 主人でーす。」一斉に皆が、「え~」っと
声を上げました。 一番驚いたのは親友の彼でした。「本当か~?」
この場所に私を引っ張ってきた事を一番後悔していたのも親友の彼でした。
その場を締めてくれたのは、初めに「ご主人……」と言った男性でした。
「皆、高橋君が結婚してたの知らなかった?」反応を見ると、 知っていた方も居れば、
知らなかった方も居た様でした。 私は、腰を低くしてその場を後にしました。
そして、後日。私は親友の彼から思いもよらない事を聞きました。
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