私が家に着くと、部屋の明かりが点いていました。
嫁の方が少し先に戻ったみたいでした。 部屋に入ると
嫁は風呂に入っていました。(シャワーを浴びていました)
私は、廊下から「 俺も今帰ったから。」そう言ってリビングに
腰を降ろしました。 私は、嫁がシャワーを浴びている所に
何時もの様に入っていきました。 いつもの嫁と様子がおかしいと
感じました。 極力私の方に体を向けない。 どこか余所余所しい
態度に感じました。いつもなら、風呂から出てもバスタオルを暫く
巻いたままの嫁ですが、私が出た時には既に着衣していました。
そして、疲れたからと言って先に布団に入りました。
あの時の電話では、嫁に話を合わせ平常心を保とうとしていましたが
一人で、今日あった出来事を考えていると、押さえていた怒りというか
ある意味、興奮もした状態になっていました。 私は、後先を考えずに
布団に入った嫁をリビングに呼びました。
「ちょっと悪いけど、こっちに来てくれないか。」
すると嫁も何かを察したのか、表情が強張っていました。
「ここに座ってよ。」
嫁は無言のまま私の言う通りに座りました。
「ちょっと聞きたい事が出来て…」
「聞きたい事?…」
「ああ聞きたい事…。 今日だけど、カラオケに行ってたの?
実話、由香と電話を切った後に知人に会ってね…」
私は、適当な理由をつけました。
「そしたら、由香を見たって言うんだ。 俺は、嫁も飲み会で出てるから
そこで見かけたんだろ。って答えたんだけどね。 けど、話を聞いたら
由香を見かけた時間がおかしんだよ。 それに、男の人と歩いていたって
言うから、もしかして見間違いじゃないのか?って聞いたけど、間違いなく
奥さんだったよ。 服装まで言ってくれた。 一緒にいた男は黒っぽい
ジャージを着ていたらしい。 どうなんだ?」
「ごめんなさい。」
「ごめんさいじゃ分からないよ。 本当なの?」
「変に心配さえない様にと思って…」
「それで、何でその男と居たの?」
「解散して、帰ろうとしたらバッタリ会っちゃつて…」
「それで、一緒に居たのか?」
「けど、聞いた話だと街中じゃなく別の場所だったけど…」
「うん。 帰り道が同じだったから歩きながら途中まで帰った…」
「そうか。 それならカラオケの話は嘘なんだな?」
「うん。 ごめんなさい…」
「嘘はそれだけか? 本当の事が有るなら自分で正直に言えよ。」
「それは…。」
「それは…何なの? 何かあるのか?」
私は嫁を追い詰めました。 なぜだか、嫁を追い詰めている自分に快感を覚えました。
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