戻って来た嫁が、私の居るリビングに入って来ました。
「ただいま。」
「おかえり。」
在り来たりな言葉を交わすと、嫁は先に一旦シャワーを浴びると言って
姿を消しました。 いよいよ嫁からどんな話が聞けるのか。
そうもうと、興奮を抑える事が出来ませんでした。
シャワーを終え髪を乾かせているドライヤーの音が聞こえて来ました。
そして、私の前に嫁が座りました。 いよいよか。思っていました。
すると、嫁から思いもしない事をお願いされました。
「約束の事だけど…1週間だけまってほしい。」 でした。
1週間だけ待つ? ここまで我慢していた私には醜いお願いでした。
「1週間? どうして待たなければいけないんだ?」
嫁の話を聞けば、戻って来る間、色々と心の準備をしたが、
何から話したらいいのか、約束はしたが本当に全てを話していいのか?
悩んでいたらしい。 そして、もう一つは、先日の夜に生理にもなった
との事でした。 私は、普段の夫婦生活において、どんなタイミングで
嫁が生理になるのかなど意識もした事がありませんでした。
嫁曰く、伊藤と会う日程を先に決めた後に気にはしていたらしい。
当日になって生理になったらどうしようか。 そうなったら、予定を変えよう
そう考えていた様です。 興奮していた私でしたが、気持ちが一気に
ダウンしてしまいました。 結果、1週間とまではなりませんでしたが
5日ほど何も無かったかのような休日をおくりました。
休みも後3日となっていました。 そして、嫁から伝えてきました。
その日の夕食を済ませ私が風呂から出てきた時でした。
「あの話だけど…もう大丈夫…。」
「そうか。 この後、話してくれるんだな?」
「うん…。 私も汗を流してくるね。」 そう言って嫁も風呂に。
嫁が風呂から出てくるまでの時間、私はソワソワしていました。
変に緊張してもいました。 嫁が風呂から出て髪を乾かす。
帰って来たあの時の時間に戻った感じがしました。
嫁が寝室に行ったのも足音や物音で分かりました。 暫くすると
リビングを出た廊下から嫁の声がしました。 振り向きましたが
嫁の姿は見えませんでした。 私の座っている場所からは見えない
位置から話かけてきました。
「今から、そっちに行くけどいい?」
「ああ、いいよ。」
「それとね…。」
「それと…何?」
「由香が話をしやすい様にしてもいい?」
「いいけど、どうするの?」
「ありがとう…。少しだけ待って…」
少し待ちました。 そして、再び嫁から
「準備できたよ。 そっちに行くよ…」
「いいよ。 おいで…」
私の前に姿を現せた嫁を見て、なるほど。と思いました。
※元投稿はこちら >>