「少し話いい?」嫁からの要望でした。
「いいよ。」
「一人になたら少し寂しくななっちゃた…。」
「どうしたどうした? 寂しくなったって…」
「何となくだけどね。」
私は、伊藤と解散したのだと勘違いをしていました。
勝手に決め込んでいた私は
「けど、二日間楽しかっただろ。」
「うん。 楽しかったよ。」
「久しぶりに会ってどうだった?」
「変わってなかった。 変わってたのは由香かな…」
「そうだろね。 こんなになっているなんて思っても
いなかっただろ。」
私の発したその言葉に嫁が察したのだと思いました。
急に話を友達の話に置き換えてきました
「泊っているホテルだけど、戻って来ている友達も同じなの。」
伊藤とも解散して、私と話をしていると思い込んでいた私は、
もう、そんな嘘話をしなくても…と思いました。
しかし、私も嫁の言葉を察しました。 もしかして、まだ伊藤と
一緒に居るのか? なにげなく、確認しました。
「そうなんだ。 寂しいって、部屋は別々なの?」
「折角だから同じ部屋にしたよ。」
「で、今は電話大丈夫なの?」
「うん。 近くのコンビニに買い物行ってるから…。」
私は、伊藤も側に居るという前提で、嫁と会話をする事にしました。
「そうなんだ。 まだ、積もる話もできるね。」
「そうだね…。」
「とは言っても、また会う時はいつになるか分からないから
時間も無いと思うけど、楽しんでな…。」
「うん…。 そうだね…。」
「帰って来たら、色々聞かせてな。」
そう言って、嫁との電話をきりました。 嫁も私が言った言葉の
意味を理解していると思いました。 私は、再び妄想にふけました。
この二日間、嫁に起こった出来事。 そして、今まさに何をされているのか。
早く嫁から話を聞きたい。 電話を掛けてきた時の状況も知りたい。
待つ事による激しい興奮が私を呑込んでいました。
そして、予定を1日オーバーした嫁が、翌日の夕方に戻ってきました。
※元投稿はこちら >>
新たな夢かなう時