確かに彼の名を言った。 私だと思ていないのか。
先よりも指の動きを強めてみた。 すると「もうこれ以上は
ダメです。お願いダメだから。主人が戻ってきたら…」
私は嫁に自分だと悟られる前に、やっていた行為を止め
テントから出て行った。 テントから出ると、彼が向こうから
戻って来る姿がありました。 私は、一旦テントから放れ
海辺に足を付ける行動をした。 彼が、テントまでたどり着いた
のを確認し、少し遅れて私もテントまで戻った。そして、今私が
戻って来たと嫁が思うような言葉をかけました。 「おまたせ。
さーコーヒーでも飲もうか」 テントの中に居る嫁にも聞こえる
ような大きな声で喋りました。 そして、朝テントを出てから
初めてテントの中に戻ったような素振りで中に入って行った。
その時、嫁はテントの入口側に背を向けるようにしタオルケットを
体全体に被り横になっていた。一言声を掛けてみた。
「おはようー起きてるか? コーヒーでも入れるから飲むだろ」
すると、嫁も今起きたようなしぐさで「うーん、おはよう」と返事した。
そりて、ゆっくりと体を起こした嫁の衣服は乱れていなく
外れていたはずのボタンも全て止められていました。
すると外から私を呼ぶ彼の声が聞こえました。 外に出ると
「今、仕事関係の事で電話がありまして、急で申し訳ありませんが、お先に
しつれいする事に。 申し訳ないです。」本当なのか嘘なのか分かりませんが
私も彼を引き留める理由がなかったので「こちらこそ、ありがとございました。
また機会がありましたらよろしく。」「奥様にも、よろしくお伝えください。」
そう言って、彼は帰っていきました。 彼も帰って行き、コーヒーを入れ
飲む準備ができた頃に嫁がテントから出て来ました。
とぼけた言い方で「あれ?斉藤さんは?」「彼なら仕事の電話は入ったって、
少し前に帰って行ったよ。景子にも、よろしくって。」 「そうなの」
それ以上、嫁も彼の事には触れませんでした。 その日は、自宅に戻り
夜になるまで、悶々とした気持ちが続きました。
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