程よい時間になり、帰りは奥様に運転で先輩も同乗し
アパートまで送ってくれました。車の中で、先輩の言った
一言「今夜は、綺麗な奥さんと久し振りに燃えろよ…」で、
私は我に返ったというか嫁との事を…。嫁も何かを感じたと
思います。先輩ご夫婦には分からいないと思いますが、私と嫁の間の
空気は少し重く感じていました。車を降りた私たちは無言のまま
部屋に入りました。 暫く部屋の中でも無言な状態が続き、テレビの
音だけが聞こえていました。 嫁がトイレに入った間に私は、その場の
空気から逃げる様に、風呂に入りました。 シャワーを頭から浴びながら
沢山の事を考えました。 慌てて風呂に入ったので、体を拭くタオルを
持って来るのを忘れていました。アパートに戻り初めて私が嫁に
「タオルとってくれ」と喋りました。少し重苦しい空気も和らぎました。
私「お前も汗を流して来れば。」
嫁「うん。そうする。」 そう言って嫁は風呂に行きました。
少し時間が経った頃、風呂場の中から嫁の「キャー」っという声が…。
慌てて風呂場の扉を開けると、嫁が指を差していました。
嫁が指さした先に、ナメクジが…。 キッチンから塩を持って来て
ナメクジに一降り。 ナメクジは、見る間に小さくなり、浴室の床に落ちました。
シャワーで排水溝に流しました。 ナメクジ退治をした後でした……
浴室の隅に手で体を隠すようにして立っている嫁の姿に目がいきました。
嫁「ありがとう。」といいましたが、”ごめんなさい。早く出て行って”と
言っている様にもとれました。 浴室から出た私は、側室に背中を向けたまま
マットで濡れた足を拭いていると、後ろで「カッチャ」と戸が閉まる音がしました。
脱衣所を出る時、すりガラスの扉の向こうで、嫁のシルエットだけが見えました。
嫁も風呂から上がり、脱衣所からは髪を乾かすドライヤーの音が聞こえていました。
時間だけが経っていきました。 なぜかよそよそしく、寝床の準備をしました。
嫁を、普段私が寝ているシングルベットで寝る様に伝え、私は、ベットの直ぐ下で
タオルケットを掛け床に直接横になりました。 部屋の明かりを消し、テレビだけを
付け、切タイマーをセットしました。 テレビの明かりが部屋を照らしていました。
テレビが切れる前に寝付けたらと思っていましたが、無理でした。
そして、”パッチ”とテレビも切れ。部屋の中も、うす暗くなりました。
ベットに背中を向けていましたが、嫁も起きている気配は感じました。
うす暗くなった部屋の中でも、静かな無言が続きました。
行動を起こしたのは、嫁からでした。 私の背中に嫁の脚が当たったのを感じました。
私は、ゆっくり顔だけを振り向けました。 微かに嫁がベットに座り、足を降ろしている
人影が分かりました。
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