ゴールデンウイークには、私も家に戻る予定でした。
単身赴任になり1回目のゴールデンウイークでした。
信也との会話にも、「ゴールデンウイークは、何するの?」
の話で、「ゴールデンウイークは、実家に戻る…」的な会話
をしていました。 私は、帰省する際に秘密の携帯は、単身
生活をしている部屋に充電器を差して置いて戻りました。
マイホームに戻っていた期間は4日程でした。 その間は、
久し振りの嫁との生活で、新婚気分だったと思います。
ただ、時折ですが、嫁に秘密でラインをしている信也としての
自分も頭の中で、考えてしまいました。 嫁とも夫婦としての
夜の営みもありました。 嫁を抱いている時に、初めて別の
感情が湧いてきました。 今、嫁を抱いているのが信也なら…。
私は、二重人格的な錯覚に落ちりました。それと同時に、
”寝取られ ”という感情を芽生えさせていました。
今まで何度も嫁を抱いた来ましたが、今までにない興奮を
覚えました。 もう一人の信也という人物も本当は自分自身
ですが、もう一人の自分に嫉妬している奇妙な感覚に満足して
いました。 休みを2日残して、私は単身先に戻りました。
薄暗い部屋に入ると、置いて行った携帯が点滅していました。
画面を見ると、嫁からの着信が数件入っていました。
私が、帰省していた間に何も知らない嫁は、もう一人の私、
信也にラインをしていたのです。 戻っている時は、いつ嫁が
ラインをしていたのか気付きませんでした。信也宛てに届いた
ラインの着信時間を見ながら、その時間帯の事を思い出しました。
確か、この時間帯は、風呂に入っていたかな? この時間帯は、
そうだ、親友に会っていた時間だ。私が、嫁の側に居ない時間帯に
ラインを送っていました。 当然ですが、いくら嫁が信也にラインを
送っても返事はありません。信也である人物の私は、携帯を置いき
夫としてマイホームに戻っているのですから。 嫁から送られていた
ラインの文面も次第に変わっていました。 「既読だけでもしてね」
「既読してくれたら、私からまた時間みて連絡するね」まるで、
信也に無視をされている状態に嫁の方が、熱を上げている様に思えました。
一番新しいラインは「今からなら、いつでも連絡できるから。 もし
見たら連絡してね」でした。 送信時刻を見ると、私が家を出た後、
暫くしての時間でした。 私は、夫として、嫁に「今、こっちに
着いたから。 お休み」とだけ、取りあえず連絡をしました。嫁からの
返事は「おやすみ」とだけでした。 冷めた返事にも思えました。
信也としての連絡は、今まで夜の12時を回ってからはした事がありません
でしたが、その日は、自分自身である信也に嫉妬しながら悶々としながら
単身先に戻っても寝付けなく、ビールを飲んで一人で酔ってました。
当初は、翌日にでも嫁に信也として、返事を返そうと思っていましたが、
酔った勢いと、悶々とする自分で、シナリオを作っておきながら我慢が
出来なくなっていました。 「夜分にごめん。 携帯を忘れて実家に帰って
しまってて。 おかげで、友達とも連絡が上手く取れなくてよわったよ。」
元々は全てが嘘ですが、信也としての嘘の言い訳を嫁に返信しました。
数分もすると、嫁から返信がありました。「既読にもならないしで心配したよ
ドジしたのね。理由が、それで良かった。 もう無視されたのか、何か
あったのかって心配したよ。」でした。 夫である私の携帯には
冷めた「おやすみ」の一言だったのに、架空の人物とは知らない信也には、
「……心配したよ。」と、まるでラインの友達だけの関係では無いと思える
様な返事でした。 それまでは、お互いのプライベートについては質問も
していませんでしたが、意を決して嫁に質問してみました。 正直に
答えるのか? そんな事を考えながら嫁に問いかけました。
「ところで、順子さんて彼氏います? もしかして結婚してるとか。
俺は、彼女すらいない寂しい男で~す。」すると、嫁からの回答は
「どんな答えならいい?」と、質問返しをしてきました。まさかの反応に
どう返せばいいのか困りました。私は、嫁がある程度本当の自分を暴露した
上で、信也とどのように進展するのかを知りたく思いました。
「最悪、彼氏が居るというよりは、結婚しているの方がいいかな。」と
答えました。嫁からは「ごめんね。」と一言返信があり。「結婚してる」と
続けて返信がありました。 私は、人妻にラインをしている男の気持ちに
なりました。 嫁とラインをしているその時、私は完全に信也になっていました。
「正直に言ってくれてありがとう。 まー仕方ないよ。 けど、旦那さん居るなら
ラインなんかしていて大丈夫? 今、旦那さん居るんでしょ?」
「大丈夫だよ」「本当に? いたらヤバくない?」「今、居ないから」
「居ないって?」「単身赴任で、家に居ないの。」嫁は、正直に答えた。
「じゃー連休中の休みは帰って来なかったの?」「うん。忙しいみたいで…」
ここで、嫁は嘘を答えました。 独り言で、何を言っているんだ!今日まで
家に戻っていただろう! 呟いていました。 どこまで本当の事を答えるのか
私自身も興味が湧いてきました。 普段嫁に聞けない事や言えない事を
信也という人物で、発散しようと決めました。
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