なぜだか嫁には言い出せませんでした。
あの日の出来事を思い出しては興奮している自分がいました。
あの時の相手は、どんな男性なのか? 一瞬だが顔は微かに見ましたが
脳裏に焼き付くほどの記憶はありませんでした。
年も明けて、2月頃に新人のパートさんが入ったからと歓迎会があるからと
嫁は、宴会に出かけました。あの日以来は夜の外出はありませんでした。
時折ですが、悶々とする日を繰り返していましたが、その話があってからは
数ヶ月前の事を昨日の出来事の様に考えるようになっていました。
当日、嫁は一度家に帰ってきました。 私が車で送って行きました。
もしかしたら今日も、あの日の男も参加しているのか?色々な事を話しを
聞いてから想像していました。 また同じ出来事が…。嫁を送り家に帰った
私は、一人ビールを飲みながらもテレビを観ていましたが、嫁の事しか考えて
いませんでした。 気付けば時間が経っていました。嫁から連絡がありました。
「今から帰るね」確か時間的には、なまり遅くない時間帯だったと思います。
私の想像とは違っていました。 嫁も連絡があってから数十分で帰ってきました。
「早かったね」「うん。二次会は参加しなかったから」の返事でした。
帰ってきた嫁は、暫くすると風呂に向かいました。 リビングのキッチンから嫁の
携帯に着信音んが鳴りました。普段は、嫁の携帯を覗いたりしませんが、その日は
自然に足がキッチンに向かっていました。携帯画面には私も知っている嫁のパート
仲間のA子さんからの着信でした。 数秒間は呼び出しでしたが、直ぐに切れました。
その後、短いバイブ音が2件ありました。後で分かった事ですが、1件はA子さんから
もう1件は、男性からでした。嫁が風呂から出ると「携帯が鳴っていたよ」と、何気なく
教えてやりました。 A子さんには直ぐに折り返しの電話をしていました。A子さんとの
電話は、私の前でしていましたが、携帯を持たまま寝室に向かった嫁はメールを打って
いました。私がトイレに行く際に寝室の前を通った時に目撃しました。 トイレに入ると
暫く私は出る事が出来ませんでした。 バイブ設定から着信音設定に戻したのでしょう。
トイレの中から耳を澄ませば、嫁の携帯に着信音が数秒から1分程前後の時間毎に鳴りました。
平常心を装いトイレから私は出ました。 暫く、すると嫁から一言ありました。
「今から、また出かけてもいい?」「どうしたの?」「職場の人から連絡があって、
出て来れないって。 先に帰ってから、皆が待っているからって」との説明でした。
「今からまた出て行くの?今からだと帰りは、日付けが変わってしまうよ」
「だよね。やっぱり無理やね。」数秒の間が有りましたが私は了承しました。 私の想像とは
違い早く帰って来た嫁の事や今から出かける事の想像を一瞬に考えていました。「会社の
女性人から誘われたんじゃ仕方ないな。分かったよ行っておいで」
嫁は、新しい服装に着替え家を出ました。玄関先まで嫁を見送りました。嫁が玄関を出た後に
下駄箱の上に嫁の携帯が置かれたいました。よほど慌てていたのでしょう。直ぐに玄関の扉を
開けて携帯を忘れている事を教えてあげる事もできましたが、私はしませんでした。
数秒待ち嫁の携帯を手に持ち、忘れた携帯を届ける振りをして嫁をおいました。
呼べば嫁も立ち止まる距離でしたが声を掛けませんでした。 そのままタクシーに乗り
行ってしまいました。 嫁の携帯を片手に初めて嫁の携帯を見てしまいました。 メールは、A子さん
からでしたが、その返事には「また次回に」と返事を返して終わっていました。
私がトイレの中から聞いた数件の着信音は男性からのメールでした。 「知らない間に帰ってましたね」
「ごめんね。 ○○さんが帰るから私も一緒に帰りました」
「おもしろくないから、自分も2次会を出て一人飲んでます。これませんか?」
「家に帰ったし今夜は無理だよ」「無理ですよね」「先に行ってくれてたら居たのにね」「本当ですか?
先に言っていたら帰らなかったの?けど、出来れば今からなんとか…」「期待はしないでね。出れる
ようなら連絡します。」「分かりました」「この後、連絡が無かったら今日は、これで連絡をして
こないでね。」後、数件のやり取りはしていました。「行けます…」「嬉しいです…待ってます」が、
最後のやり取りでした。着信の相手は曽我チーフとなっていました。
家に戻り、ばれない様に携帯を忘れて行った下駄箱の上に戻そうとした時に、家の鍵も一緒に忘れて行った
嫁に気付きました。 鍵を締めると中には入れない状態でした。 携帯を忘れ、家の鍵も忘れて出かけて嫁も
気付けば取りに戻ってくるかとも思いましたが、戻ってきませんでした。嫁が家を出て2時間程は経っていたと
思います。 私の携帯に知らない番号から電話が掛かりました。嫁からでした。電話をしてきた先は、飲み屋の
スナックから店の電話を借りて掛けてきたようでした。 「携帯と家の鍵を忘れて出て来ちゃった。
どうしようか?」私は気付いていない振りをしました「そうなの」「だってないもん」私は、今頃気付いたのか?
と思いました。周りの雑音(他のお客のカラオケだと思います)もひどかったですが、嫁が酔っているような
口調である事は想像できました。ただ、私に対していつもに無い喋りをしてきました。 「あなた、愛してるよ」
とか「今日は、ごめんね」とか色々と一方的に話しました。「飲み過ぎないようにな。気を付けて帰っておいで」
と返事をしました。そのまま、電話は切れてしまいました。 我に返って思いました。携帯を忘れているので、
この後は、嫁に連絡の仕様が無い。 いそいで、着信のあった店に電話をしました。
すると「ラウンジ○○です」と男性スタッフが電話にでました。思わず私はスタッフに「店の話を聞いて行って
見ようかと思い電話をしました。場所って、どこになりますか?」と聞きました。「また、近い内に行きますね」と
言い私は、身支度をして、聞いた店に向かいました。場所を確認してから小一時間経っていました。 店の前までは
着きましたが、その後はどうしたらいいのか迷いました。 一旦、行きつけの店に入りました。そこから私も店の
電話を借りて、嫁が居るであろうラウンジに電話をしました。「そちらに、曽我さんはきてますか?」
スタッフが、来客の確認をしています。「曽我さん来店しています。今、来ますので暫くお待ちください」私は、
空かさず電話を切りました。まだ、店には居る事の確認は十分出来ました。 後は、張り込みをするだけでした。
張り込みをしながら嫁への連絡は出来ない状況であると諦めていました。 すると、見覚えのある番号から着信が
ありました。嫁が店から電話をしてきたのです。 「私。もう寝てた?ごめんね。鍵も閉まってるし悪いから今一緒に
いる友達の所に停めてもらおうかと思うけど」でした。私は、「じゃーその友達に電話を代わって」とも言えないまま
「迷惑掛けるなよ」としか言えませんでした。数分後、店の入っているビルから嫁が出て来ました。予想通りですが、
出てきたのは、嫁と男でした。浮気調査の探偵を雇えば、こんな状況を調査しているのだと感じました。
暫くは待ちました。後から本当に嫁と男以外にお客が出てきたら会社の同僚も一緒だと私の方が変に思われると
考えたからでした。結局、出てきたのは二人だけでした。 嫁が忘れて携帯を見る事に全神経がいっていましたが、
呼び止めて携帯を渡しておくべきだったのか?と、半分後悔しました。 時間を見ると、深夜1時は回っていたと記憶
します。 後悔と興奮。変な欲望に襲われていました。
※元投稿はこちら >>