奥の部屋が和室になっており、家は玄関を入ってすぐ右がLDK、左が私の趣味の部屋。
2階が寝室と子供部屋になっています。
玄関に立ち尽くし、耳を澄ますと、話し声は寝室からではなく、下の階のリビングから聞こえる事に、なぜか安心しました。
私はリビングのドアが閉まっている事を確認し、そそくさと足音を立てずに忍び込みました。自分がローンを払っている自分の家なのにです!
要所要所で思い出すと腹立たしい限りです。
その時の私はそれどころではありませんでした。
浮気などするはずもない真面目な妻が、私に何も言わずに男を連れ込んでいるのです。
私は妻と男の会話を聞くのに必死でした。
ドアの閉まる方の隙間に耳を押し当てると会話が鮮明に聞こえました。
会話は、はっきりとは覚えておりませんが、子供大きくなった?みたいな話や、共通の人物の話、妻へ話す時の口調から推測すると、会社の上司のような気がしました。
たまたま近くに寄ったとかなのかもしれないと胸を撫で下ろしました。
更に聞き耳を立てていると会話がなくなりました。
5分は経ったでしょうか。何も物音がしません。
焦りました。汗がまた額から大量に垂れます。
ちょっとちょっとなに!?なにをしてるの!?自分に問いかけました。
10分ほど経つと、音が聞こえてきます。初めは何の音がしているのか分かりませんでした。
すぐに何をしている音なのか分かりました。
安心は悲しみと絶望へと変わっていきました。全身の血が、本当にサーっと下へ行くのです。本当に絶望という感じがしました。
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