いよいよかという瞬間の、ソワソワ感と興奮は今でも忘れません。
部屋の片付けもし、私が居た気配も残さない様にして家から出ました。
裏庭に回り、物置小屋の前で待機していました。
車の音がしました。 家の前で停まった音。 タクシーのドアを閉める音。
玄関先いが明るくなりました。 声も聞こえました。
「どうぞ入ってください」嫁の声でした。
「お邪魔します」という曽我氏の声の後、玄関の扉を閉める音。
玄関のカギを閉めたと思われる音が小さく聞こえました。
耳を澄ませていた私には、普段何気なく耳にしているドアの閉める音一つが
これから始まるであろうゴングの音に聞こえました。
思いも掛けない出来事が実際にありました。
待機していた裏庭からリビングの様子が見える場所に静かに移動しようとした時、
寝室の明かりが点きました。 私は慌てて、足を止め、小窓側の壁際に隠れました。
すると、寝室の窓が開く音がしました。 小さな声が聞こえました。
「あなたー?あなたー居るの?」それは、私を呼ぶ声でした。
壁際に隠れていた私は、ゆっくりと顔を覗かせました。 すると、嫁が縁側に顔を出し暗闇の
庭に向かって私を探していました。 私も小さな声で
「ここだよ。」と言って、姿を出しました。 嫁が顔を出しているとこまで行きました。
「もうここで、辞めようって言ってくれないと本当に…」
嫁の顔は赤く、見るからに酔ってましたし、ロレツも少し回ってませんでした。
私は、嫁に軽くキスをしました。 お酒を飲んだ独特の甘い酒匂がしました。
「リビング見た?」
「見ました」
「もう何も言わないから}
「うん。」そういうと、嫁からキスを求めてきました。
私は、興奮の余り、今から揉まれるであろう嫁の胸を揉んでいました。
思わず、そのまま抱いてしまいそうな程の感情でもありました。
「何があても嫌いにならないでね」そう言って嫁が曽我氏の居るリビングに戻りました。
私は、少し立ち止まったまま考えました。 嫁に連絡して、中止にしよう。
興奮していた自分は、ここまできて、今嫁を抱きたい。 ここまでの実行だけでも
かなりな興奮が満たされていた。まだ間に合うと考えたのも事実です。
そんな事を考えながらも、少し遅れてリビングの見える場所に移動し恐る恐る中を覗きました。
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