掛布団はかかっていませんでした。すると背中を向けたままですが体を滑らすように
布団の方まで戻ってきました。しかし、戻って来たのは境界線と言えばですが襖の桟を越えた
ギリギリの場所でした。そして、ようやく掛布団を被りました。
「これ以上はダメだよ。少しの間、手は握っていてもいいから。」嫁が健に問正していました。
私は興奮して完全に目が覚めていました。私が仕掛けて撒いた種でしたが予期せぬ展開になっていたから
でもあります。事はもうこれで終わりだと気を抜いて今あった出来事を思い直していました。
布団を被り後ろ姿しか見えない嫁の姿をボンヤリと見ながらでした。
嫁が掛けていた布団が一瞬ですが少しふわりと膨らみました。
布団を掛け直したようでした。ドッキとしましたが、それで終わりませんでした。また声が聞こえました。
「手を握っておくだけって言ったでしょ。私も健君も困るでしょ。それにオバサンにこんな事しても
うれしくないでしょ。健君に悪いからね。」
「いいです。オバサンじゃないですよ。」
「ちょっと待ってくれる?」そう言うと、今度は本当に私に近ぢて来ました。
被った布団のまま目を閉じました。 私が被っている布団を嫁が捲るのが分かりました。
少し私の寝顔を確認したのでした。そして、布団をまた顔に被せる前に軽くですが口にキスをされました。
我慢していましたが、少しビックと反応してしまった気がしました。
頬に手を置いた状態で寝たふりをしていた私は直ぐには身動きが出来ませんでした。
その間、二人の会話だけが微かに聞こえて来るだけでした。
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